043 オレオレ詐欺

「俺だよ俺、俺だよ母ちゃん」

「あっ、×男?」


 オレオレ詐欺マジメシウマ。小遣い稼ぎで手伝い始めたんだけどマジ儲かるわ。働くのがほんと馬鹿になるわ。つかこいつの息子、俺と同じ名前かよ。でも俺の母親はだいぶ前に死んじまったけどな。


「母ちゃん、じつ「×男、今日父ちゃん倒れたんだよ!」」


 話してる途中で言葉被せてくんなよ。まあ最初は話を聞いてやろうか。


「ん? どしたの?」

「仕事中に父ちゃん倒れちゃったみたいでさ、急だけど私迎えに行ってきたのよ。」

「そうなんだ。それで、大丈夫だったの?」

「今はもうピンピンしてるよ。それで、あんた一人でしょ? 可哀想だからあんたも迎えに行ったげるからね」


――ツーッ、ツーッ、ツーッ――


 ……クソッ、急に電話を切りやがった。オレオレ詐欺だってばれたのかな?

 ん? 親戚からの電話だ。仕事中なのにウゼェな。後で掛けなおすとしようか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る