026 燻す
「なあ聞いてくれよ。俺の部屋、幽霊が出るんだよ」
「はっ? ほんとに?」
「うん、直接見たわけじゃないんだけどこの頃変なことが多くて」
「例えば?」
「リモコンの位置が変わってたり、カーテンが微妙に開いてたりするんだよね」
「なんだ、かわいらしい幽霊じゃないか。驚かせたりしてこないんだろ?」
「驚いたことはないけど、ティッシュとか歯磨き粉の減りも早くてまじ嫌になるわ」
「それは地味に嫌だわ」
「だろ? それと家にいると視線を感じる事が多くて気味が悪いんだよ」
「それは確かに気味が悪いな……」
「んでさ、効くかなぁって思ってバルサン焚いてみたわけよ」
「はっ!? 効くわけねえだろ!」
「それが効いた効いた。次の日から心霊現象がぱったりと無くなったのよ」
「まじかー。俺も出たら使ってみるわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます