025 盗聴器
数日前、友人の部屋に面白半分で盗聴器をしかけてみた。まあ独り言なんかべらべらしゃべるはずもなく面白い話は全く聞くことは出来なかったわけなんだが、今日はちょっと期待が持てる。
どうも彼女が遊びに来るらしいのだ。俺に嬉しそうに話す友人を見てちょっと気が引けたが最終的に興味の方が勝ってしまい受信機のスイッチを入れた。
「初めて来たんだけど、部屋綺麗だね」
「そう? でも散らかってるのは確かに嫌だからなぁ」
「あっ! 机の右端に数学の宿題が置いてあるよ!」
「そうそう、今日渡されたやつ。明日提出とかってまじ勘弁」
「明日提出の宿題、私は終わったよー。一問目の答えはずばり3√5! って聞いてる?」
「んなことでいちいちしゃべんなよー。てか宿題終わったんなら写させて!」
……まじつまらん会話。まあ宿題の答えを彼女がべらべらしゃべり始めたからありがたくメモさせてもらおう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます