020 ワイン通の彼

 私の彼氏はワインを一口飲んだだけで生産国や品種をピタリと言い当てることが出来る。


「ん~これはアメリカ産のカルベネ・ソーヴィニヨンだね。渋さと酸味のバランスがいい」


 今日も私が買ったワインを一発で当てられてしまった。そこで今度はちょっといじわるして別のワインを混ぜて出してみた。


「おや? 日本産のメルロが混ざっているようだ。飲み口がかなり滑らかになったよ。比率は……3:7か」


 それすらも簡単に当ててしまった彼。でも今日は秘策がある。更に注ぎ足して彼に出す。


「ん? これは……AB型だね。ほんの少し苦みを感じるな……正解は君のお母さんだ!」


 ……これも当てるのか。うーん、私の彼氏、恐るべし!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る