021 隣の部屋

「……ううっ……」

「あなた……また隣の部屋から声が聞こえるわよ」

「ったく。……ちょっと待ってろ」

 ここ数日隣の部屋がうるさい。壁を叩いて大人しくしてやる。


 ――ドンッ――


 ……よし静かになった。やれば出来るじゃないか。


「静かになったわね。これで眠れるわ」


 四〇一号室角部屋、見晴らしも良く日当たり良好。間取りも広く快適な毎日を送っていたが、このところうめき声がうるさくて睡眠を邪魔されっぱなしだ。


「……ねえ、あなた……隣の部屋、いつまでうるさいのかしらね?」

「まあ、あと数日ってとこだろ」

「……お隣にご迷惑かけてないかしら?」

「大丈夫。四〇二号室は空き部屋だから」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る