バレンタイン記念ss
前書き
お久しぶりです。
◇
高校を卒業し、大学生になった春休み俺は現在彼女の水瀬 小鳥と大学付近のアパートで映画を鑑賞をしていた。
「ねぇ、奏君」
「なんだ?小鳥」
「今年はどんなチョコが食べたい?」
映画が終わったタイミングで小鳥は腕を絡ませ上目遣いでバレンタインデーのチョコレートがどんなのが良いか尋ねてきた。
「そうだなぁ、イチゴのチョコとか食いたいかな」
小鳥からチョコレートを貰ったのは一昨年と去年の二回。そのどれもが手作りで店のチョコに負けないくらい美味しかった記憶がある。なのでちょっと難易度の高いチョコを食べたいと言っても作ってくれると思い、イチゴのチョコを頼んだ。
「分かった。じゃあ今年はイチゴのチョコレート作るね。初めて作るから不安だなぁ〜」
「小鳥のチョコレートはめっちゃ美味しいから楽しみにしてる」
「プレッシャーかけないでよ〜」
小鳥は口では不満をこぼしているが、褒められて嬉しいのか顔は少しだけにやけていた。
「悪い悪い」
そんな彼女の姿が愛おしくて、俺は頭を撫でる。
この時俺はまさかあんなことを小鳥がしてくるとは思ってもいなかった。
◇ バレンタイン当日
小鳥は朝俺がリビングに入るのを待ち伏せしていたのかドアを開けると目の前に立っていた。
「ハッピーバレンタイン!奏君。はいこれイチゴのチョコレート」
頰を赤く染めながら丁寧にラッピングされたチョコレートを差し出す小鳥。
「ありがとう。小鳥開けて良いか?」
「うん。良いよ食べて食べて」
許可を得たところでチョコを受け取りラッピングを剥がし箱を開けるとそこには赤と黒のハートのチョコレートが四つずつ入っていた。
「黒いのもイチゴのチョコレートなのか?」
「赤いのはチョコレートとせ…コホン、イチゴを混ぜたチョコレートで、黒いのは中にイチゴが入ってるチョコレート」
(危ない危ない。言っちゃいけないことまで言いそうになってた)
「へぇ〜、凄いな。店に出せるレベルだぞこれ」
俺は小鳥が作ってくれたチョコレートをマジマジと見ながら、彼女の料理の腕を褒めていたせいでこの時、小鳥の様子がおかしかったことに気づかなかった。
「ありがとう。でも。このチョコレートを渡すのは奏君だけだよ」
「嬉しいこと言ってくれるな。…んまっ!めっちゃ美味しいぞこれ。イチゴの味が強くて微かにチョコレート風味があって、想像してたイチゴのチョコレートって感じだ。黒いのも、うまっ!ちょっと苦味があるけどそれが中に入ってるイチゴの甘味を引き立てる。手が止まらないなこれ」
「ふふっ、良かった。頑張った甲斐があったよ。後さ奏君まだ今年はチョコレートがあるんだ」
バサっ。
何かが落ちる音が聞こえそちらの方に目を向けると、
「なっ!〜〜〜!?なんて格好してるんだ!」
そこには赤のリボンで大事なところだけを隠した小鳥がいた。
「なっちゃんがね、バレンタインはチョコを渡すだけじゃなく自分も渡すって言ってたからあ〜、私もしてみようと思って」
星川の奴!余計なことを小鳥に。
「いやいやんむぐっ!」
「嫌って言っても、あげるも〜ん。そのために奏君のチョコレートにエッチな気分になる薬入れたから。今したくて仕方ないでしょ?」
小鳥にチョコに精力剤か何か入ってると言われたことで自身の身体が火照って、目の前の彼女を貪りたいという気持ちが溢れ出す。
「私も本当に効くのが不安で沢山食べちゃったから〜もう我慢できないの。奏君早くシヨ?」
頰を上気させ、艶めかしい息を吐き出す彼女を見て
獣欲を抑えられるわけもなく俺達はベッドルームに向かった。
「あっ♡好き♡好き♡好き♡奏君♡」
「俺もだ小鳥!好きだ、愛してる」
「嬉しい♡っお゛そこやば♡」
「これが一番記憶に残っているバレンタインだよ。今思うと薬なんかなくてもパパは凄いのに何やってるんだろうねー」
「ママって見た目に似合わずそう言うの積極的だよね」
小鳥が嬉しそうに語った一番のバレンタインの話を聞き、少し引いたとともに自分の性欲が強いのはこの人の遺伝なんだろうなと葉月はチョコレートを作りながら思った。
あとがき
結構揺れたので皆さん気をつけてください。
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