エピローグ 


「暇だ…。っと、ようやく帰ったのか嬢ちゃん。遅かったな」


 店主は日も暮れ客がそろそろ店を閉めようかと考えていた時、少女が帰ってきたので帰ってきたので声を掛ける。


「学生だから普通じゃない?まぁ、いつもより遅いのは認めるけど」


「確かにならこんくらいの時間は普通か。ちょっと待ってろ。そろそろ店閉めるから。そしたらどっか飯食いに行こうや」


「私球技大会で疲れてるんだけど…。まぁ、奢ってくれるなら行くよ」


少女は一日中動き回っていたせいで疲れているので断ろうかと思ったが、帰っても自炊しないといけないことを思い出し、条件を付け誘いを受けた。


「当然奢るに決まってるだろ。ガキに飯奢れないほどうちは不景気じゃねぇよ」


「ヘェ〜意外。私が店の外出る時はお客さんいないから不景気なのかと思ってたよ」


「嬢ちゃんが店出る時は基本朝だろ?客は基本昼が多いから見たことがないだけだ。ていうか儲かってないと嬢ちゃんを住まわせようなんて思わねぇだろが」


「そうだったね。そのことは本当に感謝してる」


「礼なんて今更良いさ。店の戸締りよし!おっしゃ買いに行こうぜ!アナゴ飯」


店のシャッター閉め終えた店主は財布を持ち少女の横に並んだ。


「貴方が言うアナゴ飯って船渡った先のところじゃん。はぁ、もう一回船乗るの面倒くさいんだけど。こっちのじゃ駄目?」


「駄目だ。こっちよりあっちの方が美味えんだよ。文句言うなら奢らねぇぞ?」


「分かった。その代わりとびきり高いの頼むからね」


「任せとけ。今日は頑張った嬢ちゃんへのご褒美だ。好きなの頼め!」


少女はどこまで知っているんだこの男は?と思いながらも、店主が自分を気遣っているのは分かっているので不満を漏らすことはしなかった。

そうして二人は今日会った出来事を話しながらフェリー乗り場へとゆっくり向かって行くのだった。




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