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 パタンっ。


 誰もいない教室で少女は筆を置き本を閉じた。


 閉じた本を手に取り本を開きページを捲ると、そこには雪が降っている道のど真ん中で泣き崩れる長い髪の少女の絵が。


『……ごめんね』


 少女は謝罪の言葉を口にしながら、絵を優しく撫でる。

 一通り撫で終えると少女は次のページを捲る。すると、そこにはその少女に手を差し出す一人の少年の絵が描かれていた。




『…これで、貴方はようやく幸せになれる』




 その言葉を紡いだ瞬間、風が吹きホイッスルの音が少女の耳に微かに届いた。








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