第102話 隠されたものは

 庭と外を区切る塀が近くなって来た。そびえ立つ塀は当然外からの侵入を拒むために高く作られている。

 遠くから見てもわかるくらい高い塀だが近くに来ると尚更威圧感がある。


「多分この辺だと思うけど」


 私の記憶の中にある地図で指し示されている場所はここらへんのはずだ。微妙なズレは当然あるとしても大まかな場所は合っているはず。

 周りを見渡しても当然宝箱のようなものは見つからない。あるのは木ばかりだ。


「それらしいものは見えないな。手分けして探してみるか?」

「いや、一応別れないようにしましょう。迷ったりしたら大変です」


 ユリとしては全員が目の届く範囲にいて欲しい故の考えだろう。


「ここまで来てなんですけど、その隠されたものってどんなものなんだろう」

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