第3話 こんにちはアリス

「ホリナより可愛いやんけ」

「えっ? 今なんと……?」

「気にしないで。ただの言い間違いよ」


 思わず素が出てしまった。それほどまでに目を惹かれてしまう存在なのは間違いない。


「アリスね。お互い気を付けましょう」

「すみません。先日に続けてぶつかってしまい、気を付けます」


 そういえば、ゲーム内での最初の対面はぶつかったことでフランソワに嫌味を言われるという感じだったけ。奇しくも2回目の衝突は予想外だった。


「お名前覚えていて下さったんですね。ありがとうございます」


 ハニカム笑顔が眩しすぎる。これが主人公パワー。これにちょっかい出してたフランソワすげぇ。私なら隣において愛でるわ。


「当たり前じゃない。同じ学院の生徒じゃないの」

「フランソワ様ありがとうございます。そう言って頂けると光栄です。それでは失礼いたします」


 家の大きさからしてフランソワは一目置かれているのは分かってはいたけど、ここまで言われるものなのね。名前覚えただけで感謝されるとか普通に生活してたらまずないよ。

 ともあれ、目的を果たしてしまったわけなのだが、今後本命を打ち落とすためにあの子を超えて行かなければならない。そんなことが自分にできるのか不安しかなかった。

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