ホグワ
吉川 「あ、あの……」
藤村 「あぁ! レイブンクローの?」
吉川 「そうですそうです! あれですよね? ハッフルパフの」
藤村 「そう! え、覚えてる。ごめん、名前なんだっけ?」
吉川 「吉川です」
藤村 「吉川さん。いや、ごめんね。名前まではちょっとあれだったんですけど」
吉川 「あ、こっちも似たような感じで」
藤村 「藤村です」
吉川 「藤村さん。えー、卒業以来?」
藤村 「ですね。何年? 12年?」
吉川 「13年です」
藤村 「あ、そぅ~。覚えてますよ。だってクディッチの時の」
吉川 「はいはい、あれね。あの時はもう全レイブンクロー生から言われましたから。若気の至りです」
藤村 「結構有名人だったよ」
吉川 「藤村さんもあれじゃないですか。ほとんど首無しニックの」
藤村 「あ、いや。それはまじでトラウマなんで。未だにフラッシュバックするから」
吉川 「あー、ごめんなさい。でもみんなウケてましたよ」
藤村 「笑いに出来てるならまだ救われるけど、本人は本当に必死だったからね」
吉川 「ですよね。今は何されてるんですか?」
藤村 「普通に、コンビニで」
吉川 「あぁ」
藤村 「吉川さんはクディッチの?」
吉川 「いやいやいや。もう全然前に引退したんで。今は物流関係ですね」
藤村 「え、そうなんですか? でもクディッチのプロってことは」
吉川 「プロって言ってもピンからキリまでなんで。もう最後はずっと2軍だったし。そのレベルだとコーチとかも難しいんですよ」
藤村 「吉川さんほどでも?」
吉川 「俺なんて全然だから。先輩に化け物みたいのいるし、後輩ももうすごいやつはすごいから」
藤村 「へぇ」
吉川 「でもほら、あれじゃないですか。省庁はグリフィンドール閥じゃないですか」
藤村 「ですよね。むしろ俺の同期で魔法省入ったハッフルパフのやついるんだけど、ひどいんだって扱いが」
吉川 「ま、グリフィンドールってそういう奴らの集まりですからね」
藤村 「で、民間はスリザリンでしょ。もうほぼそうですよね」
吉川 「ほぼそう。てか就職する前からもう決まってるらしいですよ」
藤村 「ねぇ。じゃもう魔法は?」
吉川 「仕事で? 全然ですよ。プライベートではたまにだけど。コンビニってどうなんです?」
藤村 「使うわけないじゃないですか。むしろない方が楽ですよ。下手に魔法でやろうとすると気も使うし」
吉川 「ま、喧嘩とかする時くらいかな。魔法も」
藤村 「わかる! 結局一番実用的なの暴力ですからね」
吉川 「そうなんだよ。もうワンパンで決まるしね」
藤村 「むしろ俺なんか格闘技習うなら魔法の方がいいくらいに思ってるからね」
吉川 「マジでそう。逆に暴力以外で魔法使ってるやつ見ると笑っちゃうっていうか」
藤村 「暴力以外ならマグルの科学の方が全然向いてるから」
吉川 「そうなんすよ。打撃も強化できるから」
藤村 「ボディータッチーとそこら辺の石が一番強い」
吉川 「最高! ホグワーツでた甲斐があるよな」
藤村 「あとコンビニで働いてるとムカつく客とか多いからさ」
吉川 「それ、暴力はまずくない? カメラとかあるし」
藤村 「だからその時は魔法」
吉川 「魔法いける? バレちゃわない?」
藤村 「唐揚げとかチキンとかあるから。『揚げたていかがすかー』に混ぜて撃つ」
吉川 「アバダケダブラを!?」
暗転
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