イメージ

藤村 「東京地検特捜部って何やってるかわからないけど、インターポールっぽい事やっててほしいよな」


吉川 「わかる! 世界レベルの悪をどうかしてて欲しい」


藤村 「実際には書類とか書いてる仕事ばっかりだったとしてもさ」


吉川 「ちなみにインターポールもあんまりイメージ通りの仕事じゃないみたいよ?」


藤村 「そうなの? 世界的な大泥棒を追ってるんじゃないの?」


吉川 「もっと違う国との折衝とか書類のやり取りとか文化系っぽい感じみたいだと聞いた気が」


藤村 「そうなのか。意外とイメージみたいな仕事しててくれないんだよ。東京特許許可局も東京特許許可してないらしいぞ?」


吉川 「ないからね。特許庁でしょ? 東京特ッk……、東京特許コカ……。ないからね?」


藤村 「なんて? もう一度」


吉川 「言わせようとするなよ。いいだろ、言いにくい言葉なんだから言えなくてもしょうがないって飲み込めよ」


藤村 「何のこと言ってるのかまったくわからなかったから」


吉川 「わかってるだろ! 概念は伝わってるんだから。急に知らない話し始めるわけないだろ」


藤村 「インターポールは言えてたからわかったけど」


吉川 「しっかり言えないとわからないの? 一字一句? 会話ってそういうものじゃなくない?」


藤村 「東京キョッk……。まぁ、別にいいけど」


吉川 「お前も諦めてるんじゃねえかよ! イメージと言えば内閣情報調査室はちょっとそんな感じあるっぽいんだよな」


藤村 「そうなの? あんまり知らないけど」


吉川 「ちょっとCIAとかみたいなことをやってるらしい」


藤村 「えぇっ!? 日本にそんなところあるんだ? 小部屋で?」


吉川 「いや、小部屋じゃないだろ。室ってつくけど」


藤村 「内閣情報調査室って聞いたら完全に小部屋のイメージだけど。いいとこ10畳くらいの。申し訳程度に給湯室がついてる感じの」


吉川 「そういう意味ではイメージとは違うけど。小部屋じゃないよ。もっと組織としてちゃんとしてると思う」


藤村 「日本にそんな室があったとはな。俺もポテチとか持って参加したい」


吉川 「室として見るなよ。ちょっとしたオフ会みたいな集まりじゃないんだよ」


藤村 「あ、フリーメイソンもなんか世界を裏で牛耳ってる組織じゃないらしいよ」


吉川 「それもイメージとは違うな。なんかちょっとした富裕層の互助会みたいなものなんでしょ? 慈善活動をしたりする」


藤村 「俺もポテチ持って参加できるかな」


吉川 「そこまでフリーじゃないだろ。なんでポテチ一つで参加しようとするんだよ。そのポテチに対する全幅の信頼は何なんだ」


藤村 「だから意外と組織ってのはイメージ通りじゃないんだよ。だいたい人が集まって大きくなると増えるのは書類仕事なんだから」


吉川 「そういう部分は確かにあるだろうな。実務よりも組織運営にリソースを取られたり」


藤村 「外国だと書記が一番偉かったりするからな」


吉川 「書記長ってそういう役職じゃないよ? 書類手続きの一番すごい人がなるわけじゃないから。書記のイメージ強いけども」


藤村 「そう考えるとユートピアも意外とイメージみたいなところじゃないのかもな」


吉川 「それはもうイメージだけの場所だろ。イメージ以外の何があるんだよ」


藤村 「結構書類仕事が多くて。もう手続きばっかりで。理想を実現するためにみんなヒイヒィ言ってるんだよ」


吉川 「全然ユートピア感がない。ちょっとディストピアに近い」


藤村 「で、残業に疲れたユートピアの人たちが夢見るんだよ、『アニメと伝統の国、ジャパンに行きたいな』って」


吉川 「イメージ通りじゃないなぁ……」



暗転

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