プロ

藤村 「やりました! プロバスケットボール選手なら10秒間に10ポイント入れられるチャレンジ、成功です!」


吉川 「ギリッギリいけましたね」


藤村 「さすがですねー。では続いてのチャレンジですが、プロバスケットボール選手ならバスケットボールで人を殺せるチャレンジです」


吉川 「え、殺せる?」


藤村 「さぁ、今までプロバスケットボーラーの吉川さんは数々のチャレンジを成功してきましたが、果たして成功なるか!?」


吉川 「いや、ダメでしょ。どういうこと?」


藤村 「バスケットボールを使えば、どんな殺し方でも結構です」


吉川 「いや、人を殺しちゃダメでしょ。何言ってるの?」


藤村 「あ、大丈夫です。殺してもいい人なんで」


吉川 「殺してもいい人!? そんな人いないでしょ。死刑囚かなにかなの? たとえ死刑囚だとしてもコロッセオじゃないんだからダメだよ」


藤村 「ろくなやつじゃないんで。家族もいませんし」


吉川 「そんな理由で殺してもいい人認定するなよ! 絶対によくないよ」


藤村 「さすがのプロバスケットボール選手でも無理ですか?」


吉川 「いや、無理っていうか。プロバスケットボール選手だからってことでもないでしょ。倫理観の問題だから」


藤村 「プロバスケットボール選手がボールを持った状態でもですか?」


吉川 「ボール持ったら倫理観なくなるような言い方やめろよ。いないよ、プロにだってそんなヤベェやつ」


藤村 「そうですか。ではチャレンジ失敗ということになりますが」


吉川 「失敗というか。できちゃダメでしょ。チャレンジの設定がおかしい。どのプロでもそんなことできませんよ」


藤村 「プロゴルファーなんかは割と簡単にできそうですけどね。武器も豊富だし」


吉川 「武器じゃねえんだよ! そんなことやるプロゴルファー一人もいないから。断言できる。そもそも武器として使う時点でプロ失格だよ」


藤村 「ちょっと難易度が高すぎたということで」


吉川 「難易度じゃねえよ。全然話通じてないのか?」


藤村 「ではその他のチャレンジになりますが、プロバスケットボールの選手ならば新宿南口に設置したゴールに新宿東口から出発して10分以内にゴールできるかチャレンジです」


吉川 「スキルが違うんだよ。それは新宿駅のスキルだよ。迷うだろ、新宿駅は」


藤村 「プロバスケットボール選手でもですか?」


吉川 「新宿のプロじゃないんだよ。やるなら駅員でやれよ。そのスキルは全然別だから」


藤村 「でも駅員さんだとちゃんとゴールできないと思いますけど」


吉川 「バスケットボールの要素そこだけだろ。何度かやればできるよ、駅員だって」


藤村 「それはプロバスケットボールの技術なんて、そのへんの駅員が何度かやれば到達できる程度のことというわけですか?」


吉川 「全然そんなこと言ってないよ! ルール設定がおかしすぎるんだよ」


藤村 「じゃあそうですね、激辛カレーを食べてドリブルをした状態で新宿駅東口から南口のゴールに10分以内にポイントを決められるかなら?」


吉川 「無関係な要素が増してるんだよ。そこじゃねえだろ! どっから激辛カレー出てきたんだよ!?」


藤村 「新宿のカレー屋からですけど?」


吉川 「場所聞いてるわけじゃないよ。カレーの辛さのチャレンジはバスケットボールと何一つ被らないだろ」


藤村 「難しそうですか?」


吉川 「難しいとかじゃないんだよ。意味がわからないよ」


藤村 「それでしたら中辛ならいけます?」


吉川 「辛さの問題を言ってるわけじゃないんだよ! もっと純粋にバスケのルールやボールの扱いやシュートの精度の技術だけでどうにかできるチャレンジを持って来いって言ってるの!」


藤村 「それではこの場で全て服を脱いでもらって、バスケットボールのみで隠しながら家に帰れるかチャレンジです」


吉川 「それはもう罰ゲームだろ!」



暗転

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