ぺてんし

むいてる

藤村　「誰しも一度くらいは漫画家になりたいななんて思いますよね」

吉川　「小さい頃憧れてたなぁ」

藤村　「しかし無理だろうと諦めてしまい、いつしか希望など抱く余裕もないほどに生活に忙殺され、他人の顔色をうかがいながら自らの意志による決断もできずに、ただ死んでいないだけの誰からも必要とされない人になっている方も多いと思います」

吉川　「そこまで言わなくてもよくない？　視聴者層を限定しすぎてる。多少の希望は持ってるよ！」

藤村　「この動画では漫画家に向いている人の特徴を挙げていきますので、もし当てはまるなという方、もしくは興味のある方などは、今からでも決して遅くはないので参考にしてみてください」

吉川　「漫画家かぁ。あんまり具体的に考えたこともなかったな」

藤村　「まず最初の特徴。天才である」

吉川　「天才」

藤村　「売れっ子の漫画家を見ると天才の人は多いです。天才だなっていう人は是非漫画家を目指してみてください」

吉川　「漫画家じゃなくてもいいだろ！　天才なら。もっと選択肢はあるよ。天才の時点でこの動画を見てないよ！」

藤村　「あと金持ち。売れっ子漫画家はなぜか金持ちです」

吉川　「なぜかはわかってるだろ！　売れてるからだよ！」

藤村　「お金の心配がなくなれば創作に思う存分打ち込めます。大金持ちの方はぜひ漫画家を目指してみてはどうでしょう？」

吉川　「大金持ちはもうゴールだから。そこから何かを目指さなくていいんだよ！　大金持ちになるためにみんな何かを目指すんだから。漫画家だって経由地点だよ」

藤村　「そして高学歴。意外とこれ、漫画家には少ないんですが」

吉川　「言うなよ！　いいだろ別にそれは。勉強よりも漫画を大切にして結果を出してるんだから」

藤村　「しかし高学歴であれば、もし漫画がダメでも潰しが効きます」

吉川　「潰しの話をしはじめたらもう向いていない話になるだろ」

藤村　「あときちんと学業で結果を出してるということはコツコツと努力ができるということ。漫画家をやっていくには大切な要素です」

吉川　「そうだけどさ！　でも高学歴なのに漫画家への道を限定するのはおかしいだろ」

藤村　「学歴は一発逆転みたいのがないですからね。きちんと努力して結果を出すのは大事です。勉強すらできないボンクラがなんかしようったって大概上手くいかないです」

吉川　「そんなこと言うなよ！　そういうのがない人が一縷の望みを託してこういう動画見るんだよ！　いいだろ、優しい嘘で！　そこは希望を与えろよ！」

藤村　「あと腰痛持ち」

吉川　「なんでだよ！」

藤村　「ベテラン漫画家には腰痛持ちが多いです。きっと腰痛の痛みが創作に対して影響を与えているのではないかと思います。腰痛持ちの方はぜひ漫画家を目指してください」

吉川　「因果が逆なんだよ！　ベテランになるほど漫画を描き続けてきたから腰痛になってるんだよ。『ちょうどいい、腰痛持ちだから漫画家になろう』なんてきっかけのやついないだろ！」

藤村　「そして映画が好きな方」

吉川　「あー、それはよく聞くな」

藤村　「もしくはそうでない方。両方とも向いてます」

吉川　「全員！　あまねく世界の全人類がそこに内包されてる！」

藤村　「よく漫画家の中には映画が好きだという人がいますが、意外と全然興味がないという人もいるようです。なので、好きな方もそうでない方も多分大丈夫です」

吉川　「なんだよ、多分大丈夫って。急に断言しなくなったな」

藤村　「あとこういう何かを列挙してまるでそこにしか正解がないようなことを言って、判断力の欠如したバカを釣ろうとしてる動画を見ない人。漫画家に向いてます！」

吉川　「パラドックス！」

暗転