某有名バンド

藤村 「これは、とある有名バンドでの話で、特定さけるためにバンド名は伏せさせてもらうんだけど」


吉川 「うん」


藤村 「そのメンバーたちは仲が良くって、なんだったらもう付き合う女の子もシェアしちゃうくらいだったんだよね」


吉川 「それはすごいな。仲がいいっていうか、ただれた関係というか」


藤村 「でもある時、メンバーの一人が新しく出会った女の子を連れて来たらさ『ジョン、それは流石に無理だよ』ってポールが言って」


吉川 「伏せてないだろ! もうそれは正解一個しかないよ」


藤村 「え、バンド名は言ってないけど」


吉川 「言ってないけどさ! ザ・ビートルズだよ! それはもうザ・ビートルズ以外にはないんだよ」


藤村 「でもジョンなんてありきたりの名前だし」


吉川 「ありきたりだけど、ジョンとポールがヨーコで揉めたらもうビートルズなんだよ」


藤村 「言ってないのに。ヨーコまで」


吉川 「もうちょっと上手く伏せられなかったか? エピソード自体もそうだけど」


藤村 「お前なんか超能力的なものがあるの?」


吉川 「ないよ! 何の特殊能力がなくても結構多くの人がさっきの話で正解にたどり着いちゃうよ。もうそのくらい丸わかりだったよ」


藤村 「そうかぁ。じゃあ違うバンドの話なんだけどさ」


吉川 「違うバンドね。もうあんまりスキャンダルみたいなのじゃない方がいいな」


藤村 「まぁ、名前は伏せるんだけど、そのバンドはたい焼きで……」


吉川 「エアロスミスなんだよ! そのエピソードはもうエアロスミスで決まりなんだよ! たい焼きに関するエピソード携えてロックンロールストリートを歩いていくのはエアロスミスだけなんだよ!」


藤村 「ちょ、超能力……」


吉川 「いやいや! みんな知ってるから。お馴染みだから。もうエアロスミスのつかみネタだから」


藤村 「そうだったの? まだ何も語ってないのに。ワード一個でもうエピソード終わっちゃった」


吉川 「それは悪かった。話したかったよな」


藤村 「いいよ。他のバンドで、これも名前は伏せるけど某有名バンドで、寄付を……」


吉川 「U2! はい! 寄付はU2! ボノです!」


藤村 「早押しみたいになってる。そういう趣旨じゃないのに」


吉川 「もう寄付から始めるバンドエピソードはU2」


藤村 「他にもいるでしょ。チャリティーやってるのは」


吉川 「いるけど、U2だったでしょ?」


藤村 「……うん。U2だった」


吉川 「でしょ?」


藤村 「じゃあ、他の某有名バンドで、兄弟喧嘩で……」


吉川 「ピンポーン! それはオアシスです! ノエルとリアムのギャラガー兄弟。兄弟喧嘩と言えばオアシス」


藤村 「合ってるけどさ」


吉川 「でしょ?」


藤村 「もう何言ってもわかっちゃうんだ。それは特殊能力だよ」


吉川 「そんなことないよ。みんな知ってるよ」


藤村 「じゃあもう、最後のこれもすぐわかっちゃうかな」


吉川 「どうだろ? まぁ、今までくらいのだったら、だいたいいけるかな」


藤村 「それは某有名バンドなんだけど、メンバーがマリファナやって捕まってさ」


吉川 「うん……」


藤村 「え、わかんない?」


吉川 「いや、まだそれじゃ特定はできないな」


藤村 「そう? あと女関係がとにかく乱れてて」


吉川 「うん……」


藤村 「なんか女を殴ったりもしてたらしいんだよね」


吉川 「うん……」


藤村 「ツアー先のホテルでも暴れたりしてさ」


吉川 「うん……」


藤村 「どうした? さっきまでのズバッと切れ味のいい回答っぷりはどこにいったの?」


吉川 「全然わからない」


藤村 「一言でわかってたのに? 特殊能力がなくなったのか」


吉川 「自分でも不思議なくらい何もわからない」


藤村 「あとバンドメンバー同士で喧嘩ばっかりで」


吉川 「うん……」


藤村 「キャリア後年になると、やたら自然とかスピリチュアルとかに傾倒していって。わからない?」


吉川 「それはもう全バンドだよ!」


藤村 「全バンド!?」


吉川 「そう、全バンドそうだよ! この話終わり!」



暗転



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