結婚には

藤村 「えー、本日は新郎新婦並びにご親族の方々にお祝いを申し上げます。結婚には、大切な三つのマンがあると言われております」


吉川 「まん!? まんのバージョン聞くの初めてだな」


藤村 「一つ目は、えーと。そうですね。えー……。マンというね。えーと……」


吉川 「考えてなかったのかよ! そこを見切り発車でスピーチするやついるの?」


藤村 「マン……。えーと、さすがにこの場に相応しくない言葉もあるので。ちょっと難しいですね。もうそればっかり思い浮かんじゃって」


吉川 「ほぼ言ってるだろ。なんなんだよ。早く思いつけよ。しかも一つ目だろ。先は長いんだよ」


藤村 「三つ目のやつは思い浮かんでるんですけど」


吉川 「そりゃそうだろうな。それをオチとしてスピーチを構成したんだろ。でもその前フリの二つなんで考えておかないんだよ!」


藤村 「えーと、マン……。はい、この中でわかかる人!」


吉川 「クイズ形式にしたの!? すごい丸投げしてきたな」


藤村 「さぁ、結婚に大切な三つのマン。どうです? ないですか?」


吉川 「考えるの放棄してから活き活きとしてきたな」


藤村 「じゃあそこの、結婚式にそぐわない辛気臭い顔してるあなた!」


吉川 「すごいがさつな客いじり入れてくるじゃん。言うなよそういうこと。なんかみんな苦笑いしてるよ」


藤村 「はい? ピザマン? ピザマン出ました。結婚に必要なマンの一つ目。ピザマン。まぁ、ありっちゃありか。ピザマン美味しいからね。結婚生活でね、仕事疲れて帰ってきてなんかご飯作るのもしんどいなぁって時。ピザマンがあってくれたらこれは助かる。大事です、ピザマン。覚えておきましょう」


吉川 「それ正解になるんだ。ピザマンで。あえて結婚に必要なものと言ってるのに」


藤村 「さぁ、お次はわかる人! そこのあなた。そのスーツいつ買ったの? だいぶパツンパツンになってますけど。さぁ、結婚に必要な三つのマン。二つ目は?」


吉川 「おい、知り合いなんだろうな! 見知らぬご親族にそのいじりは許されねえぞ」


藤村 「はい? ガマン? ……ファイナル・アンサー?」


吉川 「うぜぇな! 名司会ぶってんじゃねえよ! もったいぶらずにさっさと進めろよ」


藤村 「さぁ、ガマン。どうなんでしょうか。……残念!」


吉川 「なんでだよ! 我慢でいいだろ。結婚に必要なの。ピザマンよりもよっぽど的を射てるだろうが!」


藤村 「我慢はあんまり身体に良くないですからね。我慢するくらいなら結婚なんてしない方がいいです」


吉川 「そんなことなくない!? お前の個人的な意見だろ、それは」


藤村 「はい、他にある人。あなた! ある? え? ヒマン? あ、肥満てデブの肥満?」


吉川 「なんかもう答える方も雑になってきてるな」


藤村 「そうです。肥満。幸せ太りなんて言葉もありますから。結婚においては大事です」


吉川 「そうかぁ? 全然腑に落ちないな」


藤村 「さぁ他にある人! あなた!」


吉川 「いや、三つ目は自分で用意したオチを言うんじゃないの? それを言いたかったんじゃないの?」


藤村 「え? 満腹? あ、いいですね! 満腹! そう、夫婦二人でいつでもお腹いっぱいなのが幸せですから」


吉川 「なんか三つとも食べる関係じゃねえか。結婚あんま関係ないだろ」


藤村 「さぁ、他にある人!」


吉川 「もう三つ出ただろ! コンセプトどうなったんだよ」


藤村 「ダメですよ、下ネタは。あります? 他にマン」


吉川 「もう下ネタとか言うなよ。子供だっているんだぞ」


藤村 「あ、三つもう出たみたいですね。じゃあとりあえず終わりで。はい、続いては大物芸能人の結婚式の引出物であったら嫌なものと言えば?」


吉川 「お前はどの立場で大喜利仕切り始めてるんだよ!」



暗転

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