目隠し
藤村 「では本音を聞くために、吉川さんにはここで一旦目隠しとヘッドホンをしていただきます」
吉川 「うわー、どうなるんだろ。ちょっと怖いな」
藤村 「やっぱり怖いですか? 一体どんな本音が飛び出るのか気になります?」
吉川 「そりゃ気になりますよ。何言われるんだろ」
藤村 「ではこのアイマスクを付けてください」
吉川 「怖いなぁ。……ってなに!? なにこれ? なんかアイマスク湿ってる!」
藤村 「つけてください」
吉川 「いや、ビチョビチョなんだけど! アイマスクが」
藤村 「洗濯したてということですね」
吉川 「いや、洗濯の途中だろ! 気持ち悪いよ」
藤村 「他のアイマスクがちょっと今ないんで、それでなんとかしてもらえませんか?」
吉川 「気持ち悪いって! 本当に! つけてみてよ、ほら!」
藤村 「そんな、吉川さんがつけたやつはちょっと……」
吉川 「俺が汚いみたいに言うなよ。ビチョビチョのアイマスクが悪いんだろ!」
藤村 「絞ってなんとかなりません?」
吉川 「どうしても何とかさせようと思ってるの?」
藤村 「このアイマスクのくだりは全然本編と関係ないので」
吉川 「それは百も承知だよ。だったらちゃんとしたアイマスク用意しておけよ。なんで無関係なところで我慢を強いられなきゃいけないんだ」
藤村 「あの、早くヘッドホンも」
吉川 「ヘッドホンは乾いてるの?」
藤村 「どうでしょう。あ、乾いてるみたいですね。見てください、どうです? この乾き具合」
吉川 「普通乾いてるんだよ。ビチョビチョのヘッドホンを提供してくれる人見たことないだろ。そういう使い方するものじゃないから」
藤村 「ではこちらの乾いたヘッドホンをつけてもらって」
吉川 「強調しなくていいけどな」
藤村 「ご希望ならビチョビチョのヘッドホンもご用意できますが?」
吉川 「誰がご希望するんだよ! その意味のない用意はなんだ。だったら乾いたアイマスクを用意しておけよ!」
藤村 「ヘッドホンつけてもらってよろしいですか」
吉川 「つけますけど、なんかもう用意の悪さが怖いよ。つけるよ。……嫌だ!」
藤村 「どうしました?」
吉川 「気色の悪い音! なんかキィーって! ガラスを引っ掻くような音が!」
藤村 「それで周りの音が聞こえないようになってます」
吉川 「耳障り! その音は聞きたくないんだよ! 普通に音楽とかでいいだろ!」
藤村 「あー、その発想はありませんでした」
吉川 「ないの!? ガラスを引っ掻く音を流すのが世界標準だと思ってた?」
藤村 「どうせだったら印象に残る音の方がいいかと思いまして」
吉川 「嫌な印象しか残らないだろ! この音が聞きたいって人はいないんだよ! 他の音ないの!?」
藤村 「えーと、ないこともなかったような。これでいいですかね?」
吉川 「ガラスを引っ掻く音以外ならなんでもいいよ」
藤村 「じゃあ、これで」
吉川 「ゲップじゃねえか! しかも連発!」
藤村 「何人かのを録りためたやつをサンプリングしました」
吉川 「手間をかけて不快な音を作ってるんじゃないよ! なんでもっと単純に音楽をかけないんだ」
藤村 「音楽だとそっちに気が取られちゃいません? 趣旨としては目と耳を閉ざした状態で何を言われてるのか楽しむ部分なので」
吉川 「音楽のほうがそっち際立たせられるよ! この音を聞いたらこっちにリアクションしちゃうだろ。黙って聞いてられるやついるか?」
藤村 「じゃあ、千の風になってでも聞いててください」
吉川 「いいけど、真逆だな。千の風になっては千の風になってで意味が出ちゃいそうな気がするけど、まぁ今までの流れの中では及第点だよ」
藤村 「そしたらこの鼻栓をしてもらって」
吉川 「鼻栓!? 鼻栓をするパターンて見たことないんだけど。匂いでなにかバレるってこと?」
藤村 「目と耳やったんでどうせだから鼻も」
吉川 「どうせだからってなんだよ! サービス感覚で人の五感を奪うなよ」
藤村 「で、口にギャグボールつけてもらって」
吉川 「なんでだよ! そんなのSMでしか見たことないよ」
藤村 「いいんですか? これで口を閉じちゃうと千の風になっちゃいますけど?」
吉川 「伏線回収みたいに言ってるんじゃないよ!」
藤村 「さらに手足を縛らせてもらいますね」
吉川 「なんで!? 思ってたのと違う展開になってきたんだけど」
藤村 「どうです? やっぱり本音を言われるってのは怖いですか?」
吉川 「もうそれとは違う怖さが上回ってるよ!」
暗転
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