番宣番組

吉川 「いよいよ新作の映画も公開されるということで」


藤村 「はい。今までにやったことのない役だったので大変でしたが、共演者の皆さん、スタッフの方々に助けられてなんとか作り上げることができました」


吉川 「そうですか。藤村さんは子役時代からということでキャリアとしてはもう周りの人達より先輩だったりするんですよね?」


藤村 「そうですね。芸歴だけで言えば25年くらいになりますから。ただやっぱりこの世界は毎回挑戦なんで。あんまり関係ないですかね」


吉川 「子役時代から続けていたことで良かったことや悪かったことなどあると思うんですけど、どのようなことがありましたか?」


藤村 「良かったこと、なのかはわからないですけど、多くの人に知ってもらえてるというのがありますね。ただ年上の方に会うと大体『大きくなったね』って声をかけられて。こっちはもう30近いのに」


吉川 「なるほど。いや、私も正直な話その印象はあります。最近の姿を見ているんですけど、やっぱり子供の頃を知ってるだけに思い出してしまうんです」


藤村 「悪かったことも同じ感じになるんですけど、やっぱりすぐに顔でバレてしまったりして。例えば乱交パーティとか行くじゃないですか?」


吉川 「え? ん? パーティですか?」


藤村 「いえ、乱交パーティです」


吉川 「え? それはパーティの一種の形態みたいな」


藤村 「違うんです。乱交パーティとは言いますけど、実際にパーティをするわけじゃなく、乱交をするんです」


吉川 「そうだろうな、とは思いましたけど。そういうドラマで?」


藤村 「いえいえ、実際に。ほら、週二くらいで行くじゃないですか?」


吉川 「ちょっと待ってください。あんまり言わない方がいいんじゃないですか?」


藤村 「あ、そっか。スポンサーの関係とかもありますからね」


吉川 「そうじゃなくて。そんなことしちゃダメじゃないですか。普通は」


藤村 「でも芸能界ってそういうところなので」


吉川 「ストップ、ストップ。全体を巻き込む形になっちゃってるから。そうじゃないところもあるでしょ? 私は今まで聞いたことないですよ?」


藤村 「聞いたことない? まったく噂すらも? 本当に?」


吉川 「そこをきちんと詰めてくるのやめましょうよ。誰も幸せにならないし」


藤村 「すみません。でも社長が大丈夫だって言ってますし」


吉川 「社長って事務所のですか?」


藤村 「いえ、ミラクル・シンドローム・パワー・コーポレーションの社長です。会員の方に特別価格で健康になるものを販売してる立派な会社です」


吉川 「まずヤバい会社! 教養のなさそうな人が引き寄せられる単語の会社名。一番強いグラサンくらい真っ黒でしょ、その会社」


藤村 「色々な遊びを教えてくれますし、この時計も社長からいただきました」


吉川 「そんなドでかいブツを番宣番組でぶちまけないで欲しいです。そういうジャーナリズム精神みたいの持ってる人が作ってるところじゃないんで」


藤村 「でもほら、ボクは皆と違って薬とかはやってないから」


吉川 「全部多い! 一言だけじゃなく全部多い! それに関して言わなくていい」


藤村 「やっぱり子役出身だからですかね、みんな子供扱いして。もう成人してるからできるのに」


吉川 「できないYO! いくつになっても解禁は来ないんだよ、そういうやつは!」


藤村 「あんまり言い過ぎちゃうとボクもあの人たちみたいに沈められちゃいますね。なんちゃって」


吉川 「なんちゃえないだろ! その闇の深さはなんちゃってで逆転できる閾値を超えてるから!」


藤村 「ダメなんですか? それっていつから?」


吉川 「最初から! 人類の有史以来。最近、人を殺しちゃいけなくなったから厳しいなぁって思ってる人いないよ」


藤村 「あ、そうなんですか。あれですね。テキーラと日本酒チャンポンにしちゃいけないみたいなやつかな。マジでそれだけは止めておけって言われてるんで」


吉川 「そのレベルのダメさと濃さが違う。そのダメはダメだけど、しょうがないですむダメだから。あと社長の教えは何も聞かない方がいい」


藤村 「小さい頃から大人たちに囲まれて育ったもので、ちょっとズレてるんですよねぇ」


吉川 「ズレですまされる距離感じゃないけどね。テトリスなら画面の外に棒落ちてきたくらいズレてるよ」


藤村 「あ、そうですね。集まった人たちもマスクしてなかったし、不謹慎でしたね」


吉川 「そこだけきちんと守ってもOKにはならないよ!」



暗転

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