チュートリアル

師範 「君にとって初めての戦闘だ。私が少しだけアドバイスしてあげよう」


吉川 「よろしくお願いします」


師範 「まず通常攻撃、装備した武器で戦う攻撃だ」


吉川 「はいっ!」


師範 「その調子だ。ではスキルを使ってみよう。スキルはその時の職業によりツリーを成長させることによって使用可能になる。今回はスキルポイントを使って目一杯攻撃をしてみよう」


吉川 「目一杯攻撃!」


師範 「その調子だ。そしてキャラクターにはそれぞれ固有のアビリティがある。一度使うとクールタイムが発生するが、それが終わっていたらいつでも発動できる。今回は頑張って攻撃をしてみよう」


吉川 「頑張って攻撃!」


師範 「その調子だ。さらにスキルとアビリティを組み合わせることでスペシャル攻撃ができるぞ。今回はスペシャル攻撃の力一杯攻撃をしてみよう」


吉川 「ち、力一杯攻撃!」


師範 「その調子だ。スペシャル攻撃は職業やスキルツリーの組み合わせによって変わる。色々な技を試してみよう。今回は特別に別のスキルツリーと組み合わせた技をつかわせてあげよう。思いっきり攻撃をしてみよう」


吉川 「お、思いっきり攻撃!」


師範 「その調子だ」


吉川 「あの、基本の攻撃しかしてないんですけど?」


師範 「現時点でできる攻撃は1024通りだ。様々な組み合わせを試してみよう」


吉川 「そんなにあるのにさっきから基本の攻撃しかしてない。気持ちの込め方の違いしかない。もっとトリッキーな技はないんですか?」


師範 「では次のアビリティが開放されることによってできる組み合わせを特別に使わせてあげよう。全力攻撃……と見せかけて通常攻撃をしてみよう」


吉川 「全力攻撃……と見せかけて通常攻撃!」


師範 「その調子だ」


吉川 「全然面白くない。基本の攻撃しかさせてくれない」


師範 「さらに武器を使い込むことで熟練ポイントが成長し、武器にクリスタルを埋め込むことで新たな技が使えるようになる。ちなみにクリスタルは5元素からできてて更にそれに対する3つの反元素を組み合わせることで基礎元素が決まる。その基礎元素に対して8種類のマテリアルを組み込めばそれに応じて色が変化し、その武器を善の用途に使うか悪の用途に使うかで彩度が変化する。その武器カラーが一定の属性限度を超えた時に発動するパーティクルを集めてモンスターに攻撃することによりパーティクルがマルチプルポイントに変化するのでその数値によって新たな属性を追加できるぞ」


吉川 「何言ってるか全然わからない! そもそもの基本システムがわかってない内に複雑すぎる。一個一個できることが増えるように教え導いて欲しい。全部一気に来たせいで全部取りこぼしたよ」


師範 「なお今回は特別にマリンブルー系統を付帯した武器で通常攻撃してみよう」


吉川 「結局通常攻撃! あれだけ複雑なシステムを見せつけておいてやることが通常攻撃!」


師範 「その調子だ。さらに敵の弱点をつくことによって追加攻撃ができる。この敵の弱点は目だ。目を刺してえぐるように通常攻撃してみよう」


吉川 「弱点の攻撃方法がえげつないな。そういうことなんだろうけど、もうちょっと抽象的に指示してくれたらいいのに」


師範 「そして戦い方によって市民の評価が変化する。ある一定を超えると市民の評価が称号となって表示され周囲の人々の対応も変わっていくぞ。そしてこの称号はアビリティとスキルに対して特殊な強化要素となる。より位の高い称号になると同じ攻撃でも威力が変わってくる。今回は最高の称号『世界を救いし者』と高レベルアビリティの究極無双、スキルはインフィニティ・バニッシュを使い、武器は限界突破グラデーションモデルで通常攻撃をしてみよう」


吉川 「そこまで盛ったんなら通常攻撃以外をさせてくれよ!」


師範 「ははは。見習い君にはまだ早いぞ」


吉川 「もう冒険のワクワク感全部なくなったよ」



暗転


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