コンピュータ

吉川 「ミスがなく常に冷静沈着、豊富なデータで常に正確な予測をする。さすがファイティングコンピュータと呼ばれる男だぜ」


藤村 「お前が私に勝つ確率は0%だ」


吉川 「でも、やってみなくちゃわからないぜ!」


藤村 「愚かな。人間がコンピュータに勝てるとでも思ってるのか」


吉川 「人間にはコンピュータにない力がある!」


藤村 「面倒くさいと思う心か?」


吉川 「それもあるけど! もっとポジティブなやつもあるだろ! 意外性とか」


藤村 「くだらない。人間のやることなど雑でいい加減なことばかりだ。この私は日夜コンピュータを駆使して様々な能力を手に入れた」


吉川 「人の心は計算なんかできない!」


藤村 「はたしてそうかな? 私は高度な計算により、どのようにアンチコメを書けば主が怒り狂うのかすべて把握してる」


吉川 「コンピュータを駆使してやってることが最悪だな」


藤村 「この私にかかれば炎上させることなど簡単。デフラグが終わる前に燃え尽きさせてやる」


吉川 「やや古めのコンピュータだな。最近のPCはデフラグそんな頻繁にしないだろ」


藤村 「さらにブラウザに広告ブロックを入れてるのでエロいサイトも快適に見れるのだ!」


吉川 「どんなアピール? ファイティングコンピュータとしての売りがそれでいいの?」


藤村 「この私にそんな口を利いていいのか? 現代人はコンピュータなしではエロにアクセスすることすらできないというのに」


吉川 「色々な意味でそうかも知れないけど、別にお前が管理してるわけじゃないだろ。エロの総支配人なのか?」


藤村 「Twitterでクソリプを飛ばして他人を煽りストレスを解消することすらできないんだぞ?」


吉川 「別にしないよ。そんな使い方してる人の方が特殊だろうが」


藤村 「統計によるとお前意外全員やってる」


吉川 「そうだったの!? コンピュータ使ってるやつ最悪すぎるな」


藤村 「あと他人の贅沢をしてる写真をダウンロードして、自分のフェイスブックに貼ってマウントとってる」


吉川 「セコい。切ない。そこまでして何が欲しいんだよ。その行為をしている自分が情けなくならないのか」


藤村 「美味しそうな料理の写真が流れてきたら『アレルギーがあるのを知っていてやってるのですか? 不快です』などと因縁をつけて相手のメンタルにダイレクトアタックを仕掛けるのだ」


吉川 「言わなくていいことを。言っても誰も得しないことをあえて言うタイプ! 言われた方も見てる人も嫌な気持ちになるだけのやつを」


藤村 「あとバズるために『最近の若い子はこれ知らないんだって』などと世代間や知識格差があるところをを狙って煽る投稿をする」


吉川 「バズるの目的なの? ファイティングコンピュータなのに。もっとコンピュータのマシな使い道あるだろ」


藤村 「妬みとエロ以外に?」


吉川 「純粋に疑問を持つなよ。あるよ! 妬みとエロ以外の利用方あります! それしかないと思い込んでる思想がやばすぎる」


藤村 「検索終了。妬みとエロ以外の利用法は見つかりませんでした」


吉川 「もうそのコンピュータ捨てろよ! そんな最悪なシステムあるかよ。それを活かしてどう戦おうと思ってたんだよ」


藤村 「御託は終わりにしよう。このファイティングコンピュータの力を見せ……見……見せて……や……やる」


吉川 「おい、どうした? 急にカクカクしはじめて」


藤村 「クッ……。こ……こんな……ところで……」


吉川 「一体どうしたんだ?」


藤村 「Window updateが始まった……」


吉川 「メモリ少なすぎる!」



暗転

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