野球

藤村 「すごかったなー。野球のやつ」


吉川 「WBC? 確かにすごかったな。見たんだ? 野球に興味ないと思ってたよ」


藤村 「見たよー。もうびっくりした。なにあの球の丸さ。あんなに丸いことあるかね」


吉川 「そこにビックリしたの? 普通の球技って球丸くない?」


藤村 「ラグビー以外の競技をまったく知らないから驚いたよ。あんなに丸いとはね」


吉川 「そのレベルで野球を知らないのか。じゃあ試合の内容とかわからなかっただろ」


藤村 「確かに細かいルールはね、ドカベンのルールブックの盲点の一点とか何度読んでもまったくわからないから」


吉川 「ドカベンは知ってるのか。あれは俺もよくわからない。けど水島先生が言ってるんだから正しいんだよ」


藤村 「とにかくすごいのがあの棒で球を叩いた時の音ね。いい音だよなー。あれって相当硬い木なんじゃない?」


吉川 「まぁ、そうだけどさ。WBCの話題を話したい人にとってバットの素材の話は正直どうでもいい部類なんだけどね」


藤村 「殿馬が土佐丸高校と戦う時に急遽作った長いバットもさぞかしいい音しただろうな」


吉川 「ドカベンそこまで読んでるのに野球のこと知らないの? どういう気持ちで読んでたの?」


藤村 「お前、ヒカルの碁を読んでたよな?」


吉川 「あぁ、確かにそう言われるとゴメン。俺もルール分からないままヒカルの碁を読んで、結局読み終わってもなにもルールが分からないままだった。真ん中を天元と呼ぶことくらいしか知識がないのに結構楽しんでしまった」


藤村 「そういうことだよ。物語に身を委ねれば詳しいことを知らなくてもなんとなくなんだなってわかるじゃん? 加えてる葉っぱが調子のいい時は花が咲いて調子を崩すと枯れるとか」


吉川 「それは別に野球あるあるじゃないよ。岩鬼のみの話だから」


藤村 「弁慶高校の武蔵坊が里中の肩を不思議な力で癒やしたり」


吉川 「あれはなんなのか俺もわからない。なにあれ?」


藤村 「野球力が高いとああいうことできるんだろ? 大谷選手はもうできそう」


吉川 「そういうのじゃないと思う。あれはマンガの力だから」


藤村 「あとメイクね。最近俺はメイクに凝ってるから。あんな黒いチーク入れてるのメチャクチャ衝撃だったよ。逆にありかななんて思った」


吉川 「ヌートバー選手の? あれはメイクとして入れてるわけじゃないよ。なんか照り返しを防いだりそういうのかな。よく知らないけど」


藤村 「メイクのやり方を見てるとさ、顔の形とかで合うメイクとか色々あるのよ。その中でホームベース型の顔の形の例に出てきたのとすごい似てるやつが地面に落ちてたの! マジウケたわ」


吉川 「それがホームベースだからね。顔の形が元祖じゃないよ?」


藤村 「一塁と二塁と三塁はどういう顔の形かと思ったらみんな四角。なんでやねん! 俺だったら丸顔とか卵型とか用意するけどね」


吉川 「そういうものだから。なんでやねんって言う方がなんでやねんだよ。ベースが3つとも四角だからツッコんでる人、WBC見てる人の中でお前一人だけだよ」


藤村 「感染症対策もバッチリだったじゃない? あのピッチャーとバッターが二人でなんか遊んでる時、周りの休憩中の人達は距離を取っててさ。ああいうの手本となっていいよね」


吉川 「感染症対策で距離を取ってるわけじゃないし、あの人たち休憩中じゃないからね。ボールが来たら取らなきゃいけないんだから」


藤村 「来なければ休憩ってことでしょ? 球が行っちゃった人だけ休憩できないっていう罰ゲーム的な?」


吉川 「罰ゲームじゃなくてそういうゲームなんだよ。確かに球いかない人は実質休憩みたいなものだけど気持ちは張り詰めてるから休んではいない」


藤村 「今回の試合を見て意外と野球って面白いのかなって思ったからさ、ちゃんとルールを知ろうと他の野球マンガ買っちゃった」


吉川 「全部マンガで覚えるのか。それも入門としていいけどね。なんての?」


藤村 「アストロ球団」 



暗転

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