講座
藤村 「はい。今日は初心者のための頭掻き講座をやりたいと思います」
吉川 「待ってました。頭を掻くのって憧れるけど、最初はどうやったらいいのか難しいですからね」
藤村 「この動画を見て、一緒にやってみましょう。なお動画は鏡写しと考えて右手と言ったらあなたの右手で掻くようにしてください。それでは」
吉川 「レッツ、掻き!」
藤村 「まずは上司から『最近頑張ってるらしいじゃない』と声をかけられた時」
吉川 「ありますねー。基本的に上司のことをバカだと思ってるので上手く頭を掻けなかったりしますよね」
藤村 「そんな時は右手で右耳の後ろ3cmほどの場所を2回。『いやぁ~』と言いながら掻きます。ポイントは顔を掻く方と反対側に少し傾けること。では一緒にやってみましょう。『いやぁ~』」
吉川 「いやぁ~」
藤村 「いやぁ~」
吉川 「いやぁ~」
藤村 「左利きの方は反対に左手で左耳の後ろを掻く形になります」
吉川 「むかつく上司から視線も反らせて一石二鳥ですね」
藤村 「続いて、会議が行き詰まって急に意見を振られた時」
吉川 「ありますねー。初めから全然聞いてないのでどうしていいのかわからない。そういう時も頭を掻くことで対処できるんですね」
藤村 「はい。これはまず机に両肘を付いた状態でスタンバイします。そしてうつむきながら頭を両手の間に入れて、両方から頭頂部の横の部分を掻きながら『う~ん、もうちょっとなんですけどね』と言います。掻くポイントはちょうどロード・ウォリアー・ホークの髪の毛の生えてる部分です」
吉川 「なるほど。ロード・ウォリアー・ホークの髪の毛の位置と言われれば誰でもわかりますね」
藤村 「では一緒にやってみましょう。『う~ん、もうちょっとなんですけどね』」
吉川 「う~ん、もうちょっとなんですけどね」
藤村 「う~ん、もうちょっとなんですけどね」
吉川 「う~ん、もうちょっとなんですけどね」
藤村 「どんな会議も大体もうちょっとか、もうちょっとじゃないかを話してるのでこれで一発です」
吉川 「これで会議に出ても話をまったく聞く必要なくなりましたね」
藤村 「次に上司から問題点を詰められた時」
吉川 「これ困りますよねー。せっかく無かったことにしてるのになんで気づくのか。余計なことをしやがって」
藤村 「そんな時は後頭部の真ん中を左手で掻きながら『ちょっと自分はいなかったんでよくわからないんですが、確か……』と言いながら嫌いな同僚の名前をあげます」
吉川 「なるほど。タスクを振り分けていくんですね。これ嫌いな同僚がいない場合にはどうしたらいいんでしょうか?」
藤村 「いないわけないですから心配無用です」
吉川 「そうですね。いないわけないですよね」
藤村 「では一緒にやってみましょう。『ちょっと自分はいなかったんでよくわからないんですが、確か……』」
吉川 「ちょっと自分はいなかったんでよくわからないんですが、確か……」
藤村 「ちょっと自分はいなかったんでよくわからないんですが、確か……」
吉川 「ちょっと自分はいなかったんでよくわからないんですが、確か……」
藤村 「最後にお風呂に入るのが面倒で放置してた時の頭の掻き方です」
吉川 「ありますねー。むしろ髪の毛のためには毎日洗うとよくないって聞いたことあります」
藤村 「痒いところを見定めて掻きながら『そろそろ入んなきゃ。……まいっか』です」
吉川 「お風呂に入らなくても死にはしませんからね」
藤村 「それでは一緒にやってみましょう」
暗転
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