トライブ

族長 「族長はあなたたち他国人を歓迎しない」


吉川 「しかしあなたたちの生活を世界に知ってもらうことも、あなたたちの文化を守ることになるのです」


族長 「そうしてあなたたちは武器や病気を持ち込んだ。挙句の果てにはおねショタまで」


吉川 「お、おねショタ?」


族長 「強い力は部族の絆を壊す。おねショタを知ったものはおねショタを知る前には戻れない」


吉川 「おねショタ……。それは武器ですか?」


族長 「あなたたちの世界でのお姉さんと少年のイチャイチャのことを言うのだろう」


吉川 「そう言うんですか? 私のところじゃないかも」


族長 「しらばっくれるな。とんでもない強い力だ。一度囚われるともう逃れられない。恐ろしい」


吉川 「そんな影響を与えていたとは。なんかすみません」


族長 「族長はこれ以上、あなたたち他国人のものが入ってくるのを許さない」


吉川 「我々もそれは望みません。これからは最新の注意を払います」


族長 「NTRも」


吉川 「エ、NTR?」


族長 「部族の者たち、もう戻れない」


吉川 「すみません、。NTRってなんですか?」


族長 「寝取られの略だ。あなたたちの世界の言葉」


吉川 「不勉強ですみません。寝取られるのがいいんですか?」


族長 「よくないわけがないだろ! ウブぶるな! 族長は怒っている」


吉川 「え、でも普通嫌じゃないですか? 寝取られたい人なんていないでしょ」


族長 「今までの我々はそうだった。しかしNTRを知った後はそうではない。あなたたちは恐ろしいものを発明した」


吉川 「そうなんですか? 私はまったくピンとこないんですが」


族長 「あなたたちは自分たちの力の恐ろしさを知らない。これ以上余計なものを教えようとするなら我々は力の限り戦う」


吉川 「争う気はないんです。こちらのせいで部族に不都合があったら申し訳なく思ってます。ですが、お互いに知ることが衝突を避ける一番の手だと考えてます」


族長 「貧乳ダークエルフ」


吉川 「なんすか、それ?」


族長 「我々の掟を破る存在だ」


吉川 「貧乳ダークエルフが?」


族長 「貧乳エルフは受け入れる。その解釈は我々もまたたどり着いていた。しかしダークエルフとなると破壊力が強すぎる」


吉川 「言ってること一個もわからない。そっちの文化の話じゃないですか?」


族長 「おまえたちが、ダークエルフに!」


吉川 「どっちでもいいじゃないですか。エルフでもダークエルフでも」


族長 「全く違う! 恐ろしく違う。冷酷で好戦的なダークエルフにそんなコンプレックスを持たせるとは! 許しがたい! 我々の部族は全員狂ってしまった」


吉川 「狂うほどに?」


族長 「強い力、許さない。先祖の教えを壊す」


吉川 「じゃあ、すんませんでした。なんか納得はいかないですけど。そんなに言うなら謝っておきます」


族長 「ドジっ子ぽっちゃりサキュバス」


吉川 「まだあんのかよ。なんだよそれ、知らねーよ!」


族長 「強すぎる力。あなたたちは核兵器で世界を壊す。我々はドジっ子ぽっちゃりサキュバスですべてを壊された」


吉川 「そりゃそっちの責任でしょうが。なんだよドジっ子ぽっちゃりサキュバスって。なににどう働きかけてる文化なんだよ」


族長 「サキュバスにつけていい要素とダメな要素がある。我々は祖先の教えを守ってきた。しかしおまえたちは絶対につけてはいけない要素をつける」


吉川 「祖先がサキュバスのこと伝えてるのかよ。ろくな文化じゃねーな」


族長 「我々はもう戻れない。お前を帰すわけにはいかない!」


吉川 「な、何をする気ですか!?」


族長 「幼なじみの学級委員長はどんな靴下を履いているのか、そこからすべて喋ってもらおう」


吉川 「全然文化が相容れない!」



暗転


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