ララバイ
吉川 「こ、これが……。この文献に記されてるのが伝説の子守唄というやつですか」
教授 「そうだ。これがでんs……zzzzz……」
吉川 「教授! 起きてください。子守唄が患部に素早く効きすぎてます」
教授 「はっ! いかんいかん。ついに伝説の子守唄を発見したという安心感でまるで母に抱かれてるような気がして一瞬で眠りに落ちてしまった」
吉川 「いくらなんでもそんな即効性ないでしょ。RPGの呪文じゃないんだから」
教授 「いや、そうとも言い切れないぞ。この伝説の子守唄が記されている石版から出ているこの香り、これは心安らぐアロマ効果のあr……グースカピー……」
吉川 「教授! 起きてください。そんな丁寧な暮らしをしているOLみたいな事あるわけないでしょ」
教授 「吉川くんには効かないの? へぇ~、そうなんだ。鈍感なんだ。伝説なのに。伝説の子守唄なのに吉川くんには効きませんでしたって論文を書かないとなぁ」
吉川 「なんですかその言い掛かりみたいの。ボクはそんなくだらない茶番につきあうためにここまでやってk……zzzzz……」
教授 「効いたー! 吉川くんさすが! でもそうやって自分の仕事を放棄するのは困る。キミは私が寝ちゃうのを理性的に起こす役割w……むにゃむにゃ、もう食べられない……」
吉川 「教授! 起きてください。正直付き合ってられないですよ。わかりやすい寝言キャラでこの場を切り抜k……むにゃむにゃ、もう恋なんてしないなんて言わないよ……」
教授 「吉川くん! 同じセンテンスでひねってくるの流石にズルくない? そんなことやったら絶対後出しのほうが強いじゃn……むにゃむにゃ、もうれつ……OHモーレツ! 丸善ガソリン100ダッシュ」
吉川 「教授! 起きてください。そんなはっきりリズムに乗せて寝言いう人いないでs……う~ん、あと5分だけ……」
教授 「吉川くん! そう来たか。あと5分のやつ私も真似していい? 私もおn……う~ん、あとゴリラだけ……」
吉川 「教授! 起きてください。真似していいって言った割になにをどう真似したんですか? あとゴリラだけってどういう状況? ネクスト・バッターズ・サークルにゴリラが控えてるような状況ありまs……睡眠睡眠睡眠睡眠スイミングクラブ!」
教授 「吉川くん! いきなりギアチェンジした? もう寝てる感じのパターンは古くなっちゃったの? 急にそんn……スイスイ、スイスイ、わたしのおうちはスイッツランドよ。きれいな湖水のほとりなのよ。ヤッホーホトゥラララ♪」
吉川 「教授! 起きてください。そんな元気n……ヤッホーホトゥラララ♪ ヤッホーホトゥラララ♪ ヤッホーホトゥラララ♪ ヤッホーホトゥラララ♪ ヤッホーホトゥラララ♪ ヤッホーホトゥラララ♪ ヤッホーホトゥラララ♪ ヤホッホッホ♪」
教授 「吉川くん! 一番気持ちいいところだけ高らかに歌い上げるのズルくない? せめて一緒に歌おうって誘うのが礼儀だとおm……歩くほどに踊るほどにふざけながら焦らしながら薔薇より美しいあぁあぁキミは……変わったぁ♪」
吉川 「教授! 起きてください。勝手にカラオケタイムになってません? 歌いたい歌を自由に歌う時間じゃないんですs……ララバイララバイララバイバイバイララバイバイバイバイバイ始まりみたいな顔でさぁ笑っておくれよ~♪」
教授 「吉川くん! 正直、吉川くんの歌う歌よく知らないのでもうちょっと年上に気を使ってほしいと思いm……ヘイヨー。プチャヘンザ! 俺のライミングどないな意味なん?」
吉川 「教授! 起きてください。わからないのはお互い様ですよ。あと無理して若者に迎合しなくてもいいです。大丈夫です。さ、そろそろ帰りますか」
教授 「あれ、終わり? 私はまだ5ネタくらい残してるけど。ここで終わりって言うならもう吉川くんの負けってことになるけど? いいの?」
吉川 「勝ち負けじゃないでしょ。そもそも何を競ってたんですか。つきあってられませんよ」
教授 「うぇーい! 私の勝ち! 吉川くんの負け!」
吉川 「きょ、教授! 見てください。これは文献に記されてる伝説の一ヶ月で10キロ痩せるエクササイズです!」
教授 「そんなの死んじゃう! 無視! 無視だよ吉川くん!」
吉川 「何を言ってるんですか教授、ああっと。ワン・ツー、ワン・ツー!」
教授 「ごめん、もう私の負けでいいです……」
暗転
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