ピ
吉川 「もう最近は彼ピッピじゃなくてピだけで彼氏を表すらしい」
藤村 「言葉の移り変わりは激しいよな。原型がなくなるくらいまで略せばわかる人だけがわかるという仲間意識のプロコトルにもなるし」
吉川 「そういうのを面白がって受け入れる仲間がいればどんどん増えるんだろね」
藤村 「そもそもペは誰なんだ?」
吉川 「ペ?」
藤村 「略してるんだよ。察しろよ」
吉川 「ペ? いや、いきなり一文字で言われても文脈的に難しいだろ」
藤村 「今の文脈でわからない? 言い出しペッペを略したのがペだよ」
吉川 「言い出しペッペ? 言い出しっぺのこと? 言い出しペッペ自体がまだ流通してないと思うよ」
藤村 「本当? 遅れてるなぁ」
吉川 「遅れてるのかなぁ? いくら待ってもその瞬間が来る気しないんだけど」
藤村 「来るよ。ポみたいに」
吉川 「ポ! ちょっと待って、これは当てたい」
藤村 「当てる当てないの問題じゃない。わかるかどうかだから」
吉川 「今までの流れからするとポッポなわけでしょ? あ! フードコート? イトーヨーカドーとかに入ってる」
藤村 「汽車ポッポのことだよ」
吉川 「そっちかぁ! それは当てられたなぁ。もったいない!」
藤村 「遅れてるとか待てば来るっていう話の流れから汽車ポッポしかありえないだろ」
吉川 「いや、汽車ポッポという言い方自体、昭和初期じゃない? おじいちゃんなの?」
藤村 「おじいちゃんの時代は馬車バッバだろ」
吉川 「そんな言い方はない! 別に無理にピッピとかポッポとかつけなくてもいいんだよ。そもそも彼ピッピだって彼氏のシを可愛く言おうとして彼
藤村 「じゃ昔ジャイアンツにいたシピンは
吉川 「シが自動的にピッピに成り変わるわけじゃない」
藤村 「シピンが執筆となると
吉川 「動詞まで変換し始めた?」
藤村 「シピンがミシシッピで執筆となると、
吉川 「もうそれはR2-D2の言葉だよ」
藤村 「まさにプだな」
吉川 「プ? プップ? なにプップなんだろ。 プップ……? ダメだ思いつかない」
藤村 「頑張れ、もう一息」
吉川 「プでしょ? プップ? 嘘プップ? そんな言葉ないか」
藤村 「近い! いい線きてる」
吉川 「来てる? わかんない。もう答え教えて」
藤村 「答えとかはないんだけど。そっちがいいところにたどり着いてくれるかなと期待して賭けた。もう嘘プップでいいか」
吉川 「丸投げするなよ。正解があるものだと思って考えてたのに。俺が考えるターンだと思ってたらもっとクリエイティビティを発揮したよ」
藤村 「そういうお前はパだ!」
吉川 「もういい。もう乗らない」
藤村 「いいのか? パ! このパ!」
吉川 「うるさい! 黙れ!」
藤村 「パ! パ!」
吉川 「もう一言も喋るな!」
藤村 「パ!」
吉川 「
暗転
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