MC

藤村 「みんな、ありがとうー! 最後の曲に行く前に、少し話をさせてください」


吉川 「いいぞー!」


藤村 「ありがとう。ここのところ、世界は大変なことになってます。花粉、そして季節の変化、さらにお風呂で膝をぶつけました。そして花粉」


吉川 「世界のって言い出した割にはスケール小さいな」


藤村 「みなさんと同じようにボクも胸を痛めてます。膝も痛いです」


吉川 「それは個人的な感想じゃ」


藤村 「そんな中で、ボクに何ができるか考えました」


吉川 「うんうん」


藤村 「考えて、考えて、少し休んで、考えて」


吉川 「うん」


藤村 「少し休んで、少し休んで、ご飯食べて、少し休んで、ゲームして、だいぶ休んで、お風呂に入って、寝て、起きたら13時で『うわっ! もう何もできないじゃん』と絶望感に襲われました」


吉川 「実際それほど考えてないじゃん。ダメ人間の生活だろ」


藤村 「そして、今ボクに何ができるか思いつきました」


吉川 「な~に~?」


藤村 「買い物に行くときはマイバックを持っていくことにします」


吉川 「さほど決意いらないだろ、それは。考えて導き出したのがそれ?」


藤村 「みなさんも、レジ袋なんて捨ててください!」


吉川 「捨てるのも別に解決になってないけどね」


藤村 「そしてこれだけは! みなさんに言いたいことがあります」


吉川 「な~に~?」


藤村 「……あの、……なんだっけ? 何言おうとしたんだっけ?」


吉川 「これだけは言いたいことじゃなかったのか。忘れる程度の思い入れなの?」


藤村 「大丈夫です。こんなこともあろうかとスマホにメモしておきました。いまちょっと見ます」


吉川 「スマホ見て確認されると、なんというか心からのメッセージ感が薄れるな」


藤村 「あ。いつも見てるカップルユーチューバーが更新してる!」


吉川 「どうでもいいよ。見てるのかよ、カップルユーチューバーを。別に見ててもいいけど、今気にするなよ」


藤村 「あ。ありました。言いたいこと。言いますよ?」


吉川 「どうぞー!」


藤村 「みんな、愛してるぜー!」


吉川 「それを忘れてたの? そのシンプルな気持ちを忘れる? それはもう愛してないのと同義じゃない?」


藤村 「みんなも、もしボクの歌を聞いて、世界のことを少しでも気にしてくれたらなと思います。あと物販でエコバック売ってます」


吉川 「嫌な感じに宣伝してきたな。なんか世界のことも本当に考えてるのかどうか疑わしくなってきたよ」


藤村 「ボクの歌がどれほどの力を持っているかわからないけど、未来が良くなることを信じて! 最後の曲です。聞いてください。『チンタマぶらぶら』」


吉川 「未来に希望は一つもないな」



暗転

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