謝罪会見
吉川 「この度は、私の不適切な発言によって多くの方にご迷惑をおかけしたことをお詫びします」
藤村 「吉川さん、よろしいですか? この度の事態によって苦しんだ人も多いと思います。その人たちに一言お願いします」
吉川 「はい。大変申し訳無いと思っております。ハメを外してしまいまして、さらにそれがここまで広まるとは予想できなかったのは私の落ち度だと思って反省しております」
藤村 「ではtwitterで、その商品のファンを自分のフォロワーだと勘違いして調子に乗っちゃってる企業アカウントに対して一言お願いします」
吉川 「え? なんでですか? なんでボクが?」
藤村 「なにも言うことはないというわけですか?」
吉川 「それは、ボクの巻き起こした事態となにか関係があるんですかね」
藤村 「一言も言うことがないというわけですか?」
吉川 「個人的にってことですか? 今回の謝罪と関係なく」
藤村 「大きな括りでは関係あると思いますけど? 言うことはないということは全面的に支持するということでよろしいですか?」
吉川 「いや、そういうことじゃないです。あの……。できればもうちょっと自覚を持って。えー……。調子に乗りすぎないようにしたらいいかと思います」
藤村 「わかりました。ではこの写真を見て一言お願いします」
吉川 「どの写真ですか?」
藤村 「こちらです」
吉川 「……え? それは何の写真ですか?」
藤村 「一言お願いします!」
吉川 「犬が2匹ビックリした顔を見合わせてるようにしか見えないのですが」
藤村 「そのまんまですね」
吉川 「え? どういうことですか? その犬が今回の私の招いた事態となにか関係が?」
藤村 「関係はないですが、もうちょっと気の利いたことを言ってくれると思ってました」
吉川 「ど、どういうことですか?」
藤村 「ではこちらの写真で一言お願いします」
吉川 「なんですか、そのお坊さんが包丁持って微笑んでる写真は。どういうことですか? これはなに? 写真で一言?」
藤村 「でませんか? なにも」
吉川 「え。いや……。『今日、どんな感じにします~?』で」
藤村 「いただきました!」
吉川 「いただきました?」
藤村 「では卒業生が全員海賊になる学校。その校歌の歌い出しとは?」
吉川 「大喜利じゃないですか」
藤村 「でませんか?」
吉川 「これ謝罪会見なんで。大喜利みたいのを振られても困ります」
藤村 「反省はしておられるんですか?」
吉川 「はい。反省はしてます」
藤村 「では卒業生が全員海賊になる学校。その校歌の歌い出しとは?」
吉川 「反省と関係あるの? なんでそれを聞くの? 質問なの? 大喜利なの?」
藤村 「でませんか」
吉川 「セ~ラ~服を~、脱~が~し~かけて~♪」
藤村 「いただきました」
吉川 「いただかないでくださいよ。いただいていく状況じゃないでしょ、今は」
藤村 「最後に、聞いたもの全員が爆笑する見事な謝罪会見の一言をお願いします」
吉川 「それは絶対に言っちゃだめなやつでしょ」
藤村 「ありませんか?」
吉川 「ありませんか、ってあったとしても言いませんよ。そういうことを言わないためにこの会見を開いてるんですよ」
藤村 「ネットニュースにクソスベり会見って出るかもしれませんが?」
吉川 「会見にスベりも何もないでしょ。そういう目的じゃないんだから」
藤村 「いただきました!」
吉川 「いや、違うよ? 今の回答じゃないよ。違う違う」
藤村 「大丈夫です」
吉川 「大丈夫じゃないよ。今自分でもなんて言ったか忘れちゃった。なんて答えた? 言い直します」
藤村 「はい。その会見を見たものが激怒した、謝罪会見での一言とは?」
吉川 「さっきとお題違わない? それだった?」
藤村 「お願いします」
吉川 「この会見が気に入った人は、高評価、チャンネル登録おねがいしま~す!」
藤村 「いただきました」
暗転
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます