ひな壇
吉川 「ひな祭りと言っても、おじさんになりかけてるボクたちにとっては縁遠い話だな」
藤村 「そんなことない。最近は好きなものでひな壇を構成するというのもアリになってきたようだぞ」
吉川 「そうなの? そんな勝手していいの?」
藤村 「祭りだからな」
吉川 「祭りだから勝手していいって解釈は甚だ問題だと思うけど」
藤村 「そこで俺は東映特撮ひな壇を考えた」
吉川 「思いっきり趣味の話だな。あんまり聞いて喜ぶ人いなそう。ケムマキの時にもそう思ったけど」
藤村 「でも大切だぞ? 自分の好きなひな壇を考えるというだけで、一日とても楽しく生きることができた。これは知的遊戯として流行るな」
吉川 「一年に一度なのに?」
藤村 「来年のひな壇を考えるの楽しみすぎるな」
吉川 「すごい楽しそうに生きてるな。ちょっと羨ましいよ」
藤村 「まず俺の東映特撮ひな壇、お内裏男雛は当然、殿と呼ばれる男、シンケンレッド、志葉丈瑠!」
吉川 「へー、そういう人がいるんだ」
藤村 「侍戦隊シンケンジャーのレッドでありリーダーであり殿だ。その殿に関しても色々とあるのだが話すと長くなるので割愛させてもらう」
吉川 「早口になってきたな」
藤村 「お内裏女雛はお姫様なので、海賊戦隊ゴーカイジャーよりゴーカイピンク、アイム・ド・ファミーユ」
吉川 「それがお姫様なのね」
藤村 「お姫様自体は他にもゲストキャラなどで多いんだ。そして姫といえば忍者戦隊カクレンジャーのニンジャホワイト、鶴姫もいるのだけど、ここは後ほど説明する事情により見送った。ゴーカイピンクが選ばれたのは俺がゴーカイジャーが大好きすぎるのと、去年十周年でテン・ゴーカイジャーが最高だったからだ」
吉川 「結局すべての理由は大好きすぎるってことにならない?」
藤村 「さて次の段、三人官女だけどここはズバリ、有言実行
吉川 「出ましたって。知らないんだけど?」
藤村 「東映不思議コメディーシリーズから選ばれました。為せば成る何事も! そして鶴姫が選ばれなかった理由ですが、このシュシュトリアンの三女、花子が鶴姫役も演じた広瀬仁美さんでまさかのキャストかぶりによりこちらに来ていただくことになりました」
吉川 「口調がだんだん気持ち悪くなってきてる」
藤村 「さて次の段、五人囃子ですが! 恐らく大方の予想はライダー系が来るのではないかと思われてますね?」
吉川 「いや、なにも思ってない。無の心境。ただ聞いてるだけ」
藤村 「確かにライダーは5人というセット多いんだよ。しかしここに来るのはなんと! 炎神戦隊ゴーオンジャーからG5プリンス! まさかの!」
吉川 「それはわかる人はちゃんと驚けるの? 共感生んでる?」
藤村 「G5プリンスとはなんぞやという人も多いと思います」
吉川 「今までずっとその気持ちだったけどね」
藤村 「なので説明しましょう。G5プリンスとは、そもそも炎神戦隊ゴーオンジャーで歌によって強くなりすぎて悪の側ですら制御できなくなった敵に対して、ゴーオンイエロー・楼山早輝、ゴーオンシルバー・須塔美羽、そして悪の女幹部のケガレシアによって結成された善悪を超えたユニットG3プリンセスがいたのだ。そしてお正月の総集編回において、そのG3プリンセスから余った残り物の男たちで結成されたのがG5プリンス! 劇中ではなんの活躍もしてない!」
吉川 「なるほどねー。あんまり興味がないから途中から耳に入らなかったわ」
藤村 「確かにライダーからというのも考えたけど、ライダーで5人セットを考えようとすると、どうしても仮面ライダーゼロワンのお仕事5番勝負を思い出して脳が停止してしまうのでこうなった」
吉川 「そんなトラウマになってる話があるの?」
藤村 「そして次の段。右大臣はメタルヒーローシリーズから宇宙刑事ギャバンのギャバン。左大臣は世界忍者戦ジライヤのジライヤ。これが選ばれたのは当然ですね。皆様御存知の通り俺が大好きなので」
吉川 「ご存知じゃないよ。世界の誰もご存じないと思うよ」
藤村 「さてこれで出揃ったわけだ。壮観な眺め。素晴らしい。いやぁ、考えてよかったなぁ」
吉川 「楽しそうで何よりだよ」
藤村 「はぁ、楽しすぎる。もっと考えよう。続いて声優、石田彰さんの演じたキャラひな壇に移ろう」
吉川 「それはやめておこう。なんかファンの火力が違いすぎる気がする。滅多なことを言うと命に関わる」
藤村 「だからこそやる意味があるんじゃないか。強い共感を生む」
吉川 「わかった。でもヤバそうなら強制終了するぞ」
藤村 「それではお内裏男雛ですが、獣拳戦隊ゲキレンジャーより巨大戦の実況担当のバエ!」
吉川 「終了です!」
暗転
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