テレワーク
藤村 「すみませーん」
吉川 「はい、いらっしゃいませー」
藤村 「あの、テレワークあります?」
吉川 「テレワーク……、ですか?」
藤村 「はい。今もうそういう時代みたいだから必要かな、と思いまして」
吉川 「テレワークは、うちにはないですね」
藤村 「あー、そうですか。ないのかぁ。参ったなぁ。あ、そうだ。じゃ、アレありますか? かもめ~る」
吉川 「かもめ~るですか? あの、暑中お見舞い用のハガキの?」
藤村 「はい」
吉川 「あれ、去年で廃止されたみたいですよ。うちにはないですね」
藤村 「そっかー、かもめ~るならなんとかなるかと思ったんだけど」
吉川 「テレワークの情報量をかもめ~るで試みようとするの無謀ですよ」
藤村 「あの、コレなんですか?」
吉川 「これはオナホールです」
藤村 「ほうほう、じゃあれありますかね? モノレール」
吉川 「モノレール。一本のレールで動く列車ですか? いや、うちにはないですね」
藤村 「ないかー。参ったなぁ。それもないとなると……。これなんですか?」
吉川 「これはオナホールです」
藤村 「あー、はいはい。じゃあれありますかね? メガゾード」
吉川 「メガゾード? 聞いたことないです」
藤村 「スーパー戦隊が海外で再構成されたパワーレンジャーに出てくる巨大ロボットなんですけど」
吉川 「聞いたところで全然わからない。なんですかそれ?」
藤村 「要するに巨大な……」
吉川 「うちの店にあると思います?」
藤村 「ないかー。ところでこれって……」
吉川 「オナホールです」
藤村 「なるほどね。あれはないですかね? 波田陽区」
吉川 「波田陽区……」
藤村 「拙者、テレワークがしたくてたまらない侍。テレワークはありませんか?」
吉川 「ないです」
藤村 「残念!」
吉川 「ディティールがだいぶいい加減な気がするんですが。そもそもあんまり覚えてないんじゃないですか?」
藤村 「波田陽区もないかぁ。あれ? これは?」
吉川 「オナホールです」
藤村 「切腹! あれはないですかね、ららぽーと」
吉川 「ららぽーとはこの辺にはないですね。店を探してるんですか?」
藤村 「いえ、テレワークを。そうかぁ、この辺にはないかぁ。それってちなみにいくらですか?」
吉川 「オナホールですか? 7980円です」
藤村 「ふぅ~ん。もうしょうがないな。あれはありますかね? ワルイージ」
吉川 「ワルイージって、マリオの仲間の? マリオの対立関係にいたのはルイージだったのにワリオが出てきちゃって、ルイージが浮いちゃってその対立関係として割と無理やり作られた感のある八奈見乗児さんが声当ててそうなキャラですか?」
藤村 「マリオパーティでもあんまり自発的に選ばれないアイツです」
吉川 「ないですよ。ワルイージは。どこの店にもないですよ」
藤村 「ないかぁ。もうやばいな。最悪アレしかないか。あの、あれありますかね? デスワーム」
吉川 「デスワーム?」
藤村 「なんか巨大なミミズみたいな筒状の生き物で尖った歯で噛み付くやつです。モンスターの」
吉川 「なんですか、その気持ち悪いの。テレワークと関係ないじゃないですか。それで何しようとしてるんですか?」
藤村 「いや、最悪ね。最悪デスワームでなんとかするしかないなぁと思ってたんだけど。ないかぁ。あ、それデスワームにちょっと似てない?」
吉川 「オナホール? いや、デスワーム自体よくわからないんで」
藤村 「最悪それでいけるかな? うん、本当にギリでいけるかなー?」
吉川 「オナホール、買います?」
藤村 「はい。買います」
暗転
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