七草粥

六歌仙 「あけましておめでとうございます」


五人衆 「これはこれは。おめでとうございます」


四天王 「おめでとうございます」


三銃士 「去年はいまいちだったから今年はいい年にしたいね」


七草粥 「そうですねー」


双璧  「お、みんな集まってる?」


唯一神 「待って。ちょっと変なのいない?」


五人衆 「え? 誰ですか?」


七草粥 「誰だ誰だ?」


唯一神 「いや、お前。七草粥ってなに?」


七草粥 「私!? いや、私は……七といえば七草粥かなと思って」


唯一神 「七草粥、アリなの?」


双璧  「いや、どうですかねぇ? お前らどう思う?」


三銃士 「でもせっかく来たんだから」


唯一神 「せっかくとかそういう問題じゃないでしょ。それ言い出したら三密とかがせっかく来たらお前は譲るのかって話だよ」


三銃士 「あー。そう言われると……」


五人衆 「まぁ、三密は最近すごく頑張ってるからね」


三銃士 「いやいやいや、最近とかそういうのは違くないですか? むしろどれだけ長く言われ続けてるかの方が大事でしょ? 最近とか言い出したら六だって下弦や上弦の鬼の方がウケてますよ」


六歌仙 「え、こっちに振らないでよ」


四天王 「一応我々は人物が構成する団体名であるっていう共通点がありますよね。そのセオリーからすると七草粥さんは、粥だから」


七草粥 「唯一神さんは人物ですか?」


唯一神 「神だが?」


四天王 「唯一神さんはほら、そういうのから逸脱してることこそがすごいみたいな部分があるから」


七草粥 「だったら別に明文化されたルールがあるわけじゃないんですよね?」


五人衆 「まぁ、だいたい雰囲気だよね」


双璧  「でも粥でいいのかなぁ?」


七草粥 「あー、そういうこと言います? だったら言わせてもらいますけど、双璧さん。あなた数字じゃないじゃないですか。二壁だったらわかりますよ? でも一人だけ数字ついてないですよね?」


双璧  「双は二だろうが! 意味一緒だろ。なぁ、お前ら?」


三銃士 「確かに。前から気になってはいた」


双璧  「なにそれ? 今さらそういうこと言う?」


四天王 「双璧さんのことはいつか解決しなきゃいけない問題だとは思ってましたよ」


唯一神 「おい、あんまりいじめるなよ」


双璧  「唯一神さんありがとうございます」


六歌仙 「唯一神さんはいいんですよ。ただ双璧さんは数字もないくせに妙に偉そうなんですよね」


双璧  「妙にって。力関係的に俺の方が上だろ?」


六歌仙 「ほら出た」


五人衆 「それね。別にそういう集まりじゃないから。なんか勝手にナンバー2みたいな意識でいますよね?」


双璧  「お前らさー」


四天王 「こっちを見下してさ。でもって唯一神さんにはゴマすって」


唯一神 「なに? そんな感じだったの?」


双璧  「いや、俺は……」


三銃士 「ちょっと勘違いされてますよね?」


唯一神 「悪い。俺もそうか?」


四天王 「いや、唯一神さんは違うんですよ」


五人衆 「そうそう。そもそも唯一神さん慕ってみんな集まってきたようなもんだから」


六歌仙 「でも双璧さんも我々と同じ立場の癖にいつの間にか上にいる感じになってて」


双璧  「わかった。じゃ二壁にすればいいのか?」


三銃士 「だからわかってないって! そういう問題じゃないんだよ」


四天王 「態度の問題なんだよなー」


双璧  「だってお前。双璧と言ったらさぁ」


四天王 「そのお前ってのもやめてもらえます?」


双璧  「ぁん?」


七草粥 「なんかすみません。私のせいでごたついちゃって。申し訳ないんで帰ります」


五人衆 「あーあ。帰っちゃった。ま、しょうがないっすね」


六歌仙 「正月なんだからあんまりいざこざするのもよくないよ。みんなそれぞれ個性があって成り立ってるんだから」


三銃士 「そうですね」


唯一神 「そうだな。多少ぶつかるのはしょうがないにしても、なるべく受け入れていこう」


七福神 「すいません、替わりに行けっていわれてきたんですが」


唯一神 「貴様らの存在だけは認められん!」



暗転

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