絵描き歌

吉川 「それでは、恒例の絵描き歌コーナー。お兄さんよろしく」


藤村 「ちゃんちゃんちゃ~んのちゃんちゃんちゃん♪ 葉っぱが5枚ありましたー」


吉川 「あそれ!」


藤村 「ごま塩5つぶに豆17個♪」


吉川 「微妙にリズムに乗るのが難しいな」


藤村 「あとはアドリブで描きまして~♪」


吉川 「絵描き歌としての再現性がまるでない」


藤村 「あっという間に、ゲルニカ」


吉川「すごい大作描いちゃったなぁ」


藤村 「次は一緒に描いてみよう!」


吉川 「良い子のみんな、ペンと紙の用意はいいかな?」


藤村 「ちゃらちゃっちゃ~ちゃちゃららら~♪ モナリザ上手に描きまして~」


吉川 「初手からハードルが高すぎじゃないか?」


藤村 「カエルかな? カエルじゃないよ、モナリザだよ」


吉川 「その疑問は挟む余地ないだろ」


藤村 「アフロをつけたら……あっという間に、モナリザ~♪」


吉川 「いや、それはもうモナリザじゃないよ。アフロの人だよ」


藤村 「上手に描けたかな?」


吉川 「ついて来れてないと思うよ」


藤村 「続いて、チャレンジコーナー。みんなの大好きな、あの人気キャラクターを絵描き歌で描けるかな?」


吉川 「がんばってみよう!」


藤村 「ちゃんちゃんちゃん、ちゃららら~♪ 真夜中の高速を切り裂くハイウェイロード」


吉川 「え……、絵は?」


藤村 「だけど、お前のハートはウォンテッド、俺のマシンはオーバーヒート♪」


吉川 「ノリノリではあるけど、ものすごくダサいな」


藤村 「抱きしめたいけどハラスメンツ、きっと訴訟じゃルーザードッグ♪」


吉川 「どの辺りから、何を描けばいいのか、まったく伝わってこない」


藤村 「ギターソロ、カモン!」


吉川 「斬新な絵描き歌だなぁ」


藤村 「サンキュートウキョウ! アイシテマス! ワスレマセン!」


吉川 「外国人アーティストみたいになってきた」


藤村 「それでは、最後の曲です。元メンバーで、天国にいるアイツに贈ります」


吉川 「絵は!? 絵のこともう忘れちゃってない?」


藤村 「アイツは……絵を描くのが大好きでした」


吉川 「忘れてはいないんだ。感動をごり押ししてるような感じになってるけど。ちゃんと絵描き歌に戻るんだよね?」


藤村 「ウォウ、ウォウ、俺たちはいつだって、同じ時間を、おなべを二つ描きまして~♪」


吉川 「割と強引に絵描き歌が入ったな。歌の世界観をまったく活かさずに」


藤村 「ウォウ、ウォウ、アイウォンチュー、やっぱりおなべは消しまして~♪」


吉川 「じゃ、描かなきゃいいのに。その工程の意味がわからない」


藤村 「ベイベー、フォーエバー、いつまでも~、丸を描いたらできあがり~♪」


吉川 「歌としての体裁にこだわりすぎなんじゃいか?」


藤村 「さぁ、みんなは、上手に描けたかな?」


吉川 「……これって、なんの絵ですか?」


藤村 「餅」


吉川 「そりゃ、描けないわ」



暗転

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