吉川 「ハウルの動く城好きなんだよね」


藤村 「ハウるのが?」


吉川 「ハウるっていうの? 音響みたい」


藤村 「どういうところが好きなの?」


吉川 「動いてるところかな」


藤村 「あー、さすがに目の付け所がいいな」


吉川 「そんなに? 誰が見ても動いてると思うけど」


藤村 「ただハウルの動く城より、俺の方がすごいからね」


吉川 「いや、なんでライバル意識をもつのかわからない」


藤村 「藤村の動く人」


吉川 「普通。動かない人のほうが可哀想だ」


藤村 「あの藤村が、満を持して動いた!」


吉川 「地蔵みたいなやつだな」


藤村 「大体、城が動いたくらいで騒ぎすぎなんだよ」


吉川 「別に城が動いたから騒いでる映画じゃないけどね」


藤村 「そんなのより、もっとエキサイティング極まりない映画作る」


吉川 「動く人はダメだよ」


藤村 「ハウスの熱いシチュー」


吉川 「確かに、協賛はハウスだけども」


藤村 「もう、すごいアツアツなの。マグマなみ」


吉川 「そんなシチューどうするんだよ」


藤村 「村を襲う」


吉川 「うわぁ。あっという間にパニック映画だ」


藤村 「みんな、パンとかご飯とかで対抗する」


吉川 「食べて対抗するのかよ! 地味なパニックだなぁ」


藤村 「マウスの長い紐」


吉川 「なんだよそれ」


藤村 「すごいケーブルが長いマウスなの。よくこんがらがっちゃう」


吉川 「今どき有線のマウスは珍しいだろ。長いからどうだっていうんだ」


藤村 「村を襲う」


吉川 「なんでも村を襲えばいいと思ってるだろ」


藤村 「村人は必死になってクリック!」


吉川 「根本的にお前は映画つくりには向いてない気がする」


藤村 「パンツの長いゴム」


吉川 「ゆるゆるなんだ」


藤村 「もう、すっごいゆるゆる。ゆるゆる度1000万パワー」


吉川 「その単位はわからないけど、それがどう映画に?」


藤村 「村を襲う」


吉川 「わかった。もういい」


藤村 「村人全員ずり上げながら逃げ惑う」


吉川 「もっと、別の角度から見よう」


藤村 「裏原のナウいギャル」


吉川 「もう全体的に時代に取り残されてるのよ。全部の単語が遅れてる」


藤村 「村を襲う」


吉川 「襲わない」


藤村 「お前はなにかって言うと俺の大作にケチをつけるな」


吉川 「大作の気配がみじんもないからな」


藤村 「お前は可哀想なやつだな」


吉川 「おまえに言われたくない」


藤村 「吉川のすごい暇」


吉川 「ただの悪口!」



暗転

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