ぺてんし

帰ってきたマン

吉川　　「助けてー！」

帰マン　「とうっ！　帰ってきたマン参上」

吉川　　「え？　……なにマン？」

帰マン　「愛と正義の使者、帰ってきたマンだ！」

吉川　　「いや、帰ってきたのはわかるんだけど、帰ってきた何マン？」

帰マン　「帰ってきたマンだ！」

吉川　　「それって、ただの帰ってきた人じゃ」

帰マン　「違うっ！　帰ってきたウルトラマンとかのそういう感じでどうか一つ」

吉川　　「どうか一つって言われても、ウルトラじゃないんでしょ？」

帰マン　「帰ってきたマンだ！」

吉川　　「いや、帰ってきただけじゃダメでしょ。帰ってきたなにかすごい人じゃないと」

帰マン　「あいにく、チャームポイントが帰ってきた部分しかない」

吉川　　「いや、そんな人に帰ってこられても」

帰マン　「ただ帰ってきたと思うなよ」

吉川　　「ま、まさか、すごい修行とか？」

帰マン　「いや、千鳥足で帰ってきた」

吉川　　「ほろ酔いじゃん！」

帰マン　「必殺！　帰ってきたマンー折り詰め！」

吉川　　「お土産じゃん。いい感じで帰ってきちゃったお父さんじゃんか」

帰マン　「ダメっすか？　やっぱ」

吉川　　「悪いんだけど、帰ってきただけじゃ」

帰マン　「一応、省略してますけど、行って帰ってきたマンが正式名称で」

吉川　　「別にどこに行こうと知ったこっちゃない」

帰マン　「自分なりにキャラの薄さを補ってみたんですけど」

吉川　　「だから元の素材がさ、すごい人が帰ってきたんなら喜ばしいけど、一般人が帰ってこられても」

帰マン　「そうすか、わかりました。今度は修行してすごい人になってきます！」

吉川　　「う、うん。なんかごめんね。かえって悪かったみたい」

帰マン　「いや、いいっすよ。慣れっこですから」

吉川　　「じゃ、そういうことで」

帰マン　「はい。じゃ、帰ってきたマン、帰ります」

吉川　　「よし、気を取り直して、助けてー！」

帰マン　「とうっ！　帰ってきた帰ってきたマン参上！」

吉川　　「帰れ」

暗転