アニメ

藤村 「新しいアニメの設定を考えた」


吉川 「また、ずいぶんとしょうもないことを考えてるな」


藤村 「名づけて、機動戦艦ロボ、マンダム」


吉川 「うわぁ。なんか色々パクりまくりだ」


藤村 「男の色香がただようロボ」


吉川 「そんなロボ気持ちが悪い」


藤村 「それが画期的なロボットアニメなんだよ」


吉川 「だいたい、戦艦でロボってなんだよ」


藤村 「戦艦に手足がはえてる」


吉川 「気持ち悪い。虫みたいじゃないか」


藤村 「虫とは失礼な。ちゃんと二足歩行だ」


吉川 「そういうのも知ってる。歌で救うやつ」


藤村 「ちょっと違う、戦艦の部分が顔になってる」


吉川 「なんだ、そのバランスの悪さは」


藤村 「あの、戦艦の下の出っ張ったところが下唇」


吉川 「いや……わかるんだけどさぁ。下唇なのか」


藤村 「なんなら、アゴでもいいぞ」


吉川 「ずいぶんシャクレちゃってるロボだなぁ」


藤村 「主題歌も作詞作曲しちゃった」


吉川 「どうせろくなもんじゃない」


藤村 「燃え上が~れ、地球よ~♪」


吉川 「思いっきりパクリじゃないか。しかも地球燃えちゃってるし」


藤村 「そのぐらい強いという意味だよ」


吉川 「武器は頭突き?」


藤村 「馬鹿! そんなことしたら機体が破損して真田さんが困るだろ!」


吉川 「誰だよ。真田さんて」


藤村 「武器はあれだよ。口のところから出る」


吉川 「あぁ、波動砲?」


藤村 「いや、波動なんかは出ないよ。唇火傷しちゃうから」


吉川 「そういう問題か」


藤村 「波動の変わりに鳩が出る」


吉川 「なんだ、そのちょっとした今週のビックリドッキリメカは」


藤村 「平和の象徴である鳩を出して相手の戦意を喪失させる」


吉川 「まぁ、たしかに鳩がでてきたら戦意は喪失すると思う」


藤村 「平和のためのロボだからね」


吉川 「で、何と戦うの?」


藤村 「何って……それはアレだよ」


吉川 「考えてないんだろ」


藤村 「ばっ……考えてるよ。えーと、主に……人類とか」


吉川 「敵じゃないか!」


藤村 「悪い人類だよ! 汚職代議士とか」


吉川 「ずいぶんちっちゃい標的を相手にするんだな」


藤村 「じゃ、あれ。宇宙汚職代議士」


吉川 「なんだ、その無駄に壮大な代議士は」


藤村 「宇宙をまたにかけて汚職」


吉川 「宇宙をまたにかけてるわりにはやってること地味だな」


藤村 「戦え! 機動戦艦ロボ、マンダム!」


吉川 「絶対アニメにはならないと思う」


藤村 「主題歌まで作ったのに」


吉川 「どんなのだっけ?」


藤村 「え~と、あったまデカデーカ♪」


吉川 「さっきと違うし、またパクリじゃん」



暗転

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