回想

藤村 「おい、吉川、聞いたぞ」


吉川 「あ、藤村」


藤村 「お前……転校するそうじゃないか」


吉川 「そうか、聞いちまったのか」


藤村 「なんで言ってくれないんだよ!」


吉川 「なんでって、言いづらくてさ」


藤村 「俺たちの仲はそんなもんだったのかよ」


吉川 「違うよ! 俺は、お前のこと……」



(回想)



藤村 「お前か、西中の吉川って言うのは?」


吉川 「お前は?」


藤村 「俺は、南中の暴れカモノハシこと、藤村や!」


吉川 「ほぉ、カモノハシさん直々に登場とは……」


藤村 「カモノハシ言うなっ!」


吉川 「……っ!? 自分で言ったくせに……」


藤村 「まぁいい。どっちがこの学校をしめるのにふさわしいか決めさせてもらうぜ」


吉川 「じゃんけんで……というわけにはいかないみたいだな」


藤村 「ごたくは十分だ! いくぜ!」


吉川 「オラの全開パワーうけてみろ!」


藤村 「バキッ! ガスッ!」


吉川 「ドカッ! ボコッ!」


藤村 「はぁ……はぁ……なかなか、やるじゃねーか」


吉川 「そっちもな」


藤村 「俺にちっちゃいカメハメ波を入れたのは、お前がはじめてだぜ」


吉川 「カモノハシは、伊達じゃないようだな」


藤村 「お前とは……なんか、上手くやっていけそうな気がする」


吉川 「俺もそう思ってたんだ」



(回想終わり)



吉川 「……親友だと思ってる!」


藤村 「吉川……」


吉川 「だから、だからお前だけには言えなかったんだ」


藤村 「そんな……」



(回想)



吉川 「まぁ、上がってくれよ」


藤村 「うわぁ、お前の部屋、汚いな」


吉川 「一人暮らしだからな」


藤村 「うわっ! このペットボトル、何か浮いてるぞ」


吉川 「ミネラルウォーターだから平気だよ」


藤村 「平気じゃねーよ。マリモみたいの浮いてるよ」


吉川 「まじで? 半年くらい置きっぱなしだけど」


藤村 「捨てろよ。ちょっと中見てみようか?」


吉川 「やめとけよ」


藤村 「うわっ! なんだこの匂いっ!」



(回想終わり)



藤村 「水臭いじゃねーか」


吉川 「いや、その回想は必要ないだろ」



暗転

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