失せ物
博士 「最近、年のせいかよく物を無くすんじゃよ」
吉川 「間違いなく年のせいですね」
博士 「いや、わしら研究者はよくない? パーツをどこかになくしてしまったり」
吉川 「あぁ、ありますね」
博士 「コンタクトをおでこに載せたままだったり」
吉川 「それはないです。そもそもそんな状況にならないから」
博士 「そんな時のために、新発明をした」
吉川 「へぇ、どんなのです?」
博士 「無くした物を探すマシーン」
吉川 「うわぁ。なんてご都合主義なマシーンだ」
博士 「これがあれば探し物なんてあっという間に終って夢の中でウフッフ~♪ じゃ」
吉川 「ウフッフ~♪ ですか」
博士 「自分探しの旅に出る前にこれを使えば、旅いらず」
吉川 「いや、自分探しの旅って言うのは旅自体が重要なんじゃないですかね?」
博士 「自分はここじゃ!」
吉川 「それは誰でも知ってると思いますけど」
博士 「便利なマシーンじゃろ?」
吉川 「はぁ、使い方によっては凄く便利だと思いますけど」
博士 「このマシーンが完成した暁には、もう失せ物とは無縁の生活。安心してコンタクトをおでこに貼り付けておける」
吉川 「癖なんですか? それは」
博士 「実はもうちょっとで完成なんじゃ」
吉川 「あ、ほぼ九割方できてるじゃないですか」
博士 「そうなんじゃよ。もうちょっとで完成なんだけど一つだけ問題があってな」
吉川 「なんです?」
博士 「最後のパーツがみつからなくて……」
吉川 「そんな時にこのマシーンがあればいいですね」
博士 「そうそう。そう思って開発したの。もうちょっとで完成なんだけど」
吉川 「完成したらすぐにそんなパーツ見つかるのにねぇ」
博士 「そうなんじゃよ。あぁ、早く完成させてパーツを見つけたいなぁ」
暗転
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