意外性の男

藤村 「さすが意外性の男!」


吉川 「パスと見せかけて自らシュート!」


藤村 「おぉ!」


吉川 「……とみせかけて、味噌!」


藤村 「味噌!? 意外!」


吉川 「しかもカニミソ」


藤村 「カニミソは味噌じゃないのに! 意外!」


吉川 「意外だろ? 四万十川のサワガニのカニミソをふんだんに使った味噌をまんべんなくボールに塗りたくりシュート!」


藤村 「そこでシュートか。さすが意外性の男!」


吉川 「そして場外ホームラン」


藤村 「ゲームの内容が変わってる! 意外!」


吉川 「と思ったら、ボールについてたゴムがビ~ンヨヨヨンと伸びて戻ってきて自らナイスパス!」


藤村 「いつのまにゴムを! 意外!」


吉川 「そうさ、オレは意外性の男」


藤村 「よっ! 意外性の男」


吉川 「そして華麗なフェイントを織り交ぜつつ認知裁判」


藤村 「隠し子疑惑! 意外!」


吉川 「逆転敗訴!」


藤村 「負けたんだ。これはそれほど意外じゃない」


吉川 「でも、そこはすかさず連帯保証人でリカバー」


藤村 「すごいいい迷惑だ。意外!」


吉川 「でしょ? 意外性の男だもん」


藤村 「意外だなぁ」


吉川 「そんでもって……え~とシュート」


藤村 「もう意外のネタがなくなってきたっぽい」


吉川 「そんなことない! 意外性の男だから」


藤村 「ふぅん」


吉川 「えーと八丁味噌!」


藤村 「味噌ネタはもう見た」


吉川 「いや、味噌が八兆グラム」


藤村 「多い! それは意外」


吉川 「あとね……え~と……とりあえずシュート」


藤村 「もうないんだ」


吉川 「あるよ! 意外性の男だもん」


藤村 「でも……」


吉川 「あとあれ。え~と」


藤村 「いいよもう。充分意外だったから」


吉川 「実はオレは意外性の男じゃありませんでした!」


藤村 「え~意外っちゃ意外」



暗転

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