ぺてんし

自爆スイッチ

吉川　「これがなんだかわかるか？」

藤村　「なんだそれは？　リモコンか？」

吉川　「フフフ……。自爆スイッチさ」

藤村　「自爆、まさかっ！？」

吉川　「そうさ、こうなった以上一緒に死んでもらうぜ」

藤村　「くそぅ！　そんなものを持ってるとは」

吉川　「他にも色々あるぜ」

藤村　「なっ！？」

吉川　「これが温度切り替えスイッチ」

藤村　「え……」

吉川　「あったか～いになったり冷たくなったりする」

藤村　「いや、なんかあんまり意味がわからないんだけど」

吉川　「風邪で学校休みたいなぁ～って時に大活躍だ！」

藤村　「はぁ……。大活躍ですか」

吉川　「あとこれが予約録画スイッチ」

藤村　「録画まで！」

吉川　「Ｇコード対応！」

藤村　「今どき手動で番号打たないよ？　地デジだから」

吉川　「あとこれがＢ」

藤村　「Ｂ？」

吉川　「ダッシュする時に使う」

藤村　「Ｂダッシュできるんだ！？」

吉川　「でもジャンプできない」

藤村　「ダメじゃん！　最初のクリボーに突き刺さるじゃん！」

吉川　「こっちが十字キーの左」

藤村　「左しかないんだ！」

吉川　「カラテカやると崖から落ちてすぐ死ぬ」

藤村　「なんか死ぬためのゲームみたいになってる」

吉川　「他にも色々ついててね……。ほら、爪きり」

藤村　「なんか十徳ナイフみたいになってきた」

吉川　「あと、ここを押すとスプレーがでる」

藤村　「催涙だ！」

吉川　「いや、デオドラント」

藤村　「気にしなくていいよ！　そんなもん」

吉川　「さわやかシトラス」

藤村　「心底どうでもいい」

吉川　「あとね、あとね」

藤村　「もういいよ！　多機能なのはわかったから」

吉川　「応募者全員サービスの券もついてるぜ」

藤村　「なにも応募しないからいらない！」

吉川　「なんだよぉ。もっと自慢したかったのに」

藤村　「ちくしょう！　自慢されてる間に逃げればよかった」

吉川　「そうだ。ついつい自慢に酔ってしまって自爆スイッチ押すの忘れてた」

藤村　「くっそぅ！　これまでか……」

吉川　「フフフ。これで最後だ！」

藤村　「うわぁ！」

吉川　「テレッテテレッテテ～♪」

藤村　「あ、クリボーに刺さった」

暗転