ボストン

吉川 「お茶飲んでて思い出したけど、ボストンと言えば……」


藤村 「茶会事件?」


吉川 「ボストンを舞台にしたハードボイルド小説があったよね?」


藤村 「あー」


吉川 「なんて言ったかな、探偵の」


藤村 「なんかあったね」


吉川 「いやぁ、思い出せない」


藤村 「ここまで出てるのにね」


吉川 「いや、そこまでも出てないけど……」


藤村 「そうか」


吉川 「あるよね? 曖昧な記憶って」


藤村 「まぁね。気持ち悪いよね」


吉川 「なんだっけなぁ」


藤村 「ボストン……探偵……」


吉川 「それだっ!」


藤村 「ボストン探偵!」


吉川 「いや、やっぱそれじゃなかった。そんなの直接的すぎる」


藤村 「ボストン探偵、危機一髪!」


吉川 「そんなんだったの?」


藤村 「違ったかな」


吉川 「多分違うと思う」


藤村 「あれだ! 続ボストン探偵、梅雨時はアンニュイなKI・BU・N♪」


吉川 「絶対違うと思う。ボストンなのに梅雨時って言わないもん」


藤村 「ボストン探偵3、火星からやってきた依頼人」


吉川 「3で急に宇宙規模!? さっきまでアンニュイだったくせに」


藤村 「火星からやってきた依頼人2、お色気ムンムン狂騒曲」


吉川 「もう主人公変わっちゃってるじゃん。スピンオフが主軸になってるじゃん」


藤村 「確かそんなんだった気がする」


吉川 「まぁ、あるよね。曖昧な記憶って」


藤村 「……ボストンって京都の姉妹都市なんだっけ?」


吉川 「名古屋のじゃないの? 名古屋にボストン美術館てあるし」


藤村 「あれ? 京都だと思ったけど」


吉川 「あるよねぇ。曖昧な記憶って」


藤村 「じゃ三姉妹なのかな? ボストン、京都、名古屋」


吉川 「それだ!」


藤村 「ボストン三姉妹4、帰ってきた探偵」


吉川 「そこで探偵が帰ってきちゃうんだ」


藤村 「ボストン大家族スペシャル。お父ちゃん、それは良子の給食費やで!」


吉川 「どんどんボストンが大変なことになってきた」


藤村 「ところで……」


吉川 「いやぁ、あるよね。曖昧な記憶って」


藤村 「……」


吉川 「ゴメン! ……誰だっけ?」


藤村 「やっぱりわかってなかったんだぁ!」


吉川 「ここまで出てるんだけど」


藤村 「なんだよぉ。いろいろヒント出したのに」


吉川 「あ、ひょっとして……」


藤村 「思い出した?」


吉川 「ボストン探偵?」


藤村 「違うわっ!」


吉川 「ゴメン……」


藤村 「火星からきた依頼人だよ」


吉川 「そっちかぁ」



暗転

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