トリビア

博士 「吉川くん! トリビアの泉見た?」


吉川 「見てませんよ。忙しかったんですから」


博士 「なんだよぉ! せっかくワシの知ってるトリビアが出たから、知ってる自慢しようと思ったのに」


吉川 「そんな自慢されたところで困る」


博士 「そう言ってられるのも今のうちじゃ」


吉川 「いや、別にいつまでも言ってられる気がするけど」


博士 「いまからしてもいい?」


吉川 「別にいいですけど、へぇ。くらいしかいわないですよ」


博士 「じゃ、嘘も散りばめて言うよ」


吉川 「いや、なんで余計なもの散りばめるんですか」


博士 「より良いリアクションを望むのは研究者として当然のことじゃ」


吉川 「そんなことよりまじめに研究してくださいよ」


博士 「関係あるの! わしらの研究にも大いに関係のあるトリビアなの!」


吉川 「なんですか一体」


博士 「あのね、知りたい?」


吉川 「あんたが教えたがってるんじゃないか! なんでここにきて焦らし作戦なんだ」


博士 「グラハムベルが電話の特許を取った二時間後に同じ電話の特許を申請した人がいる」


吉川 「へぇ」


博士 「出た! へぇがでました。さぁ何万へぇ?」


吉川 「いや、何万も押さないですよ。なんでそこまで要求するんだ」


博士 「結構へぇ?」


吉川 「いや、聞いたことあったし」


博士 「なにそれ! ワシに対抗しようとしてるの? あれだよ。ワシなんかね、吉川くんより前に知ってたんだからね!」


吉川 「いや、別に対抗なんてしようとしてないですよ」


博士 「あとね、ビックリマンのキラキラシールだってたくさん持ってるんだからね!」


吉川 「全然関係ないことでライバル視してきた」


博士 「実はワシが特許申請した人なの!」


吉川 「ついに完全な嘘をつき始めた」


博士 「あとね、あとね……」


吉川 「わかったから。博士は凄いから」


博士 「でしょ? ワシは存在自体が95万へぇだからね」


吉川 「なんか超人強度みたいになってきた」


博士 「というわけでね、特許というのは早い者勝ちなのじゃよ」


吉川 「そうですね」


博士 「というわけで、新しい発明をしたら一刻も早く申請しないといかんのじゃ!」


吉川 「わかりました。頑張りますよ」


博士 「だから吉川くん! この特許を申請してきてくれ」


吉川 「え? なんで?」


博士 「ワシの老いさばらえた足じゃ遅くなってしまう。若い吉川くんの脚力で早く……」


吉川 「そんなこと言って、行くの面倒くさいだけじゃないですか」


博士 「ワシのことは構うな! さぁ、ゆけ!」


吉川 「なに、ちょっとかっこいい感じにしちゃってんの? 面倒なだけでしょ?」


博士 「早く! 早くしないと他のやつに先越されるぅ!」


吉川 「なんなんですか? その発明って」


博士 「タイムマシーン」


吉川 「時間戻れるじゃん」



暗転

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