車掌
車掌 「本日は新幹線ゆがみにご乗車いただきまして誠にありがとうございます」
吉川 「……」
車掌 「私、逆に車掌を務めます藤村でございます」
吉川 「いや、逆の意味がわからない。なんに対する逆なんだ」
車掌 「新幹線ゆがみの停車駅は、東京、品川、機械の身体をくれる星……」
吉川 「いきなり!? いきなりもらえちゃうの? 欲しくないけど」
車掌 「お客様に申し上げます。走行中は大変危険ですので、窓からお年寄りやお子様をださないようにお願いします」
吉川 「出さないよ! そんなもん。陰惨な拷問じゃないか」
車掌 「運転には十分注意しておりますが、やむをえず、急停止、急カーブ、九州上陸することなどがございますので、ご注意ください」
吉川 「行っちゃうの!? 勝手に九州に!? そんなのどう注意すればいいんだ」
車掌 「なお、他のお客様のご迷惑になりますので、携帯……ピ~ピピロピロピ~ロ~♪」
吉川 「お前がまずやめろ」
車掌 「運転手! 時間です。起きてください」
吉川 「目覚ましかよ! え? ていうか、寝てたの? 運転手」
車掌 「他のお客様のご迷惑になりますので、携帯爆弾の起爆はご遠慮ください」
吉川 「そんなもん、持ち込ませるなよ」
車掌 「ただいまゆがみでは、お客様感謝キャンペーンとしまして、ゆがみオリジナル一万円札をプレゼントしております」
吉川 「ていのいい偽札じゃん」
車掌 「なお十号車は食堂車となっております。……か?」
吉川 「え? なに?」
車掌 「十号車は食堂車となっておりますか?」
吉川 「知らないよ! そんなこと」
車掌 「ひょっとしたら、なってないかもしれませんが、それはそれで行って見てのお楽しみと言うことで」
吉川 「無理やりレクリエーションとして仕立てあげた」
車掌 「ちょうど今、向かって左手に富士山が……」
吉川 「本当だ」
車掌 「見えたあなたは、アンラッキーデイ」
吉川 「見ちゃったよ! なんだよそれ、占いだったのか」
車掌 「バカが見る~♪ 豚のケツ~♪」
吉川 「ムカツク」
車掌 「リクエストにお答えして、次は名古屋~名古屋~」
吉川 「リクエスト制なの!? そんなフレキシブルなの?」
車掌 「さぁ、盛り上がってまいりました。続いては、恒例のカラオケコーナー」
吉川 「そんな誰も望まない行事が恒例なのか」
車掌 「せ~んろを探す~よ~、ど~こま~で~も~」
吉川 「初めから乗っておけよ」
暗転
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