ロボット

吉川 「わぁ~ん。自慢されて悔しいよぉ」


ロボ 「よぉし、それじゃとっておきの未来の道具で」


吉川 「待ってました。さすが未来からきたロボ」


ロボ 「どこでも~」


吉川 「例のやつだ!」


ロボ 「どこでも眠れるー!」


吉川 「え? 扉関連商品じゃないの!?」


ロボ 「これを使えば、どこでも比較的早く眠れる」


吉川 「比較的って特技じゃん。それ本人のやる気次第だろ」


ロボ 「前日寝てないと効果倍増」


吉川 「寝ても根本的な解決にはならないよ!」


ロボ 「しょうがないなぁ。タケ……」


吉川 「飛ぶやつだ!」


ロボ 「タケー!」


吉川 「え? タケだけ?」


ロボ 「これを足の裏で踏むと気持ちいいうえに健康になる」


吉川 「いや、青竹じゃん! ぜんぜん未来っぽくない!」


ロボ 「ドンキで買った」


吉川 「現代じゃん! 未来のロボだろ!」


ロボ 「踏んで痛かったら、どこか内臓が悪い」


吉川 「みのもんたみたいなこと言い始めた。そうじゃなくて、未来っぽいグッズを希望」


ロボ 「タイム!」


吉川 「出た! タイム関連商品!」


ロボ 「ちょっと待って。考えるから」


吉川 「そのタイムかよ!」


ロボ 「う~ん、ピンとくるようなのないね」


吉川 「ないの!? 普段、無駄にポケットから出してるじゃんか」


ロボ 「のど飴とキーホルダーしかない」


吉川 「おっさんのポケットじゃないか。え? もっと次元が色々すごいポケットじゃないの?」


ロボ 「食う? のど飴。シュガーレスだよ」


吉川 「いらないよ!」


ロボ 「ずっとポケット入れてたから溶けて袋から出しづらい」


吉川 「そんなのど飴やだ。というか、なんかギャフンと言わせるようなアイテムをくれよ」


ロボ 「毒ガスー!」


吉川 「死んじゃうじゃん! やりすぎだよ!」


ロボ 「もう出しちゃった」


吉川 「バカ! なに毒ガス出してんだよ! 俺が死んじゃうだろ」


ロボ 「マスクー!」


吉川 「ありがたい」


ロボ 「花粉や粉塵の99%をカット」


吉川 「花粉症用じゃんか! 毒ガスに効力ないよ!」


ロボ 「気分の問題?」


吉川 「問題とかじゃなくて、本当に死んじゃうだろ! ガス止めろよ」


ロボ 「わがままだなぁ」


吉川 「わがままとかの問題じゃない」


ロボ 「もういい加減さ、未来の道具の力を借りるのやめなよ。28にもなって」


吉川 「うるさいなぁ。年のこと言うなよ」


ロボ 「ちゃんと就職しようよ」


吉川 「お前はいいよなぁ。いつまでも居候だし」


ロボ 「そういうこと言わないでよ」


吉川 「ハァ、結婚とかしたい」


ロボ 「俺も……」


吉川 「お前、ロボットじゃんか」


ロボ 「ロボットだって恋愛する権利はある」


吉川 「そういうもんなんだ」


ロボ 「こう、身を固めたいんだよ」


吉川 「固いだろ」



暗転



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