インド人

良子 「あれだよねー。吉川くんて、つくづくインド人離れしてるよねー」


吉川 「いや、インド人じゃないですもの」


良子 「またまたー」


吉川 「またまたじゃない」


良子 「そのスパイス臭さがなによりの証拠」


吉川 「スパイス臭くないよ。失敬だな」


良子 「目に、目に染みる~」


吉川 「そこまでっ!? まじなの?」


良子 「インド人もビックリだよ」


吉川 「えぇ……なんか切なくなってきた」


良子 「韓国人もドッキリ」


吉川 「え? キムチ関係も兼ね備えてるの?」


良子 「フィリピン人はポッキリ!」


吉川 「何が言いたいんだ」


良子 「トンガ人はポッチャリ」


吉川 「もういいよ」


良子 「ロシア人はポックリ」


吉川 「殺しちゃった! ロシア人」


良子 「吉川くんはサッパリ?」


吉川 「いや、お前がサッパリだ」


良子 「お! カレー大国インドの意地を見せてきたね」


吉川 「いや、カレー大国じゃないし、意地も見せてない」


良子 「インドはカレー大国だよぅっ!」


吉川 「いや、それはそうだけど……なんでそんなにキレてるの?」


良子 「ちょっとスパイス臭いからって調子に乗らないで!」


吉川 「あの……スパイス臭い自覚はないし、調子にものってないんですが」


良子 「のってるよ! ノリノリじゃんか!」


吉川 「ノリノリ……そうかなぁ」


良子 「ほら! 吉川くん、そろそろお祈りの時間!」


吉川 「いや、別にそういう宗派じゃないですし」


良子 「でも、そんな吉川くんが好き」


吉川 「はぁ、そうですか」


良子 「吉川くんはインド人にしておくのもったいないよ」


吉川 「されてないって! そっちが勝手にしてるんじゃん」


良子 「吉川くんはね、良子の王子様だよ」


吉川 「カ、カレーの?」


良子 「自分で華麗だなんてあつかましいにも程があるっ!」


吉川 「いや、なんで急にキレてるんだ」


良子 「吉川くんの匂いを嗅いでるとカリカリしちゃうのよ!」


吉川 「辛口だなぁ……」



暗転

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