参謀
参謀 「吉川さんバンザーイ! バンザーイ」
吉川 「ありがとうございます。どうもありがとうございます」
参謀 「当選おめでとうございます」
吉川 「ははは、ありがとう。君たちのおかげだよ」
参謀 「そんなことはありません。吉川さんのお力です」
吉川 「まあね」
参謀 「……えぇ」
吉川 「言うなれば俺の力のみで勝ったよね」
参謀 「いや、みんなも結構頑張ったと思いますけど」
吉川 「全然! 俺だけ頑張った」
参謀 「言い切った……」
吉川 「むしろ俺の一票だけで当選ね」
参謀 「いくらなんでも一票じゃ当選はできないです!」
吉川 「俺の一票は重いんだよ。なんか紙質が良かったもん」
参謀 「紙質!? 全然関係ないですよ」
吉川 「そう? いい紙だったよ? 厚手だったもん」
参謀 「厚手とかで当選しませんて!」
吉川 「あの紙見た瞬間、こりゃ受かったな。って思ったよ」
参謀 「で、でも、ほら。みんな一丸となって戦ったじゃないですか?」
吉川 「なにと?」
参謀 「何とって」
吉川 「魔王?」
参謀 「魔王じゃないですよ。そんなのいないじゃないですか」
吉川 「ラオウ?」
参謀 「いや、絶対ラオウじゃないですよ。拳王じゃないですか。黒王号に乗っちゃう」」
吉川 「今の俺なら倒せそうな気がするね」
参謀 「ラオウを!?」
吉川 「ラオウ的な何かを」
参謀 「なんだそれ。なんか急に曖昧になっちゃった」
吉川 「ある意味、政界の世紀末救世主だからね」
参謀 「上手いこと言ったつもりだろうけど、もう世紀末じゃないですよ」
吉川 「ニュアンス的にだよ!」
参謀 「ニュアンス的にですか……」
吉川 「ほら、これから政界で大暴れするわけじゃん?」
参謀 「救世主なのに暴れるんだ」
吉川 「令和のアバレンジャーって呼ばれるね」
参謀 「アバレンジャーって呼称で呼ばれてる人聞いたことないですよ」
吉川 「痛みの伴った改革するぞぉ!」
参謀 「できれば痛くない改革の方が……」
吉川 「むしろ、改革そっちのけで痛がらせる」
参謀 「本当に暴れる気だ」
吉川 「痛いの痛いの、飛んでけー! 紛争地域へ」
参謀 「ダメ! 紛争地域に飛ばしちゃダメ!」
吉川 「ウソウソ。間違えた」
参謀 「なにをどう間違えたらそんな失言できるんだ」
吉川 「まぁ、俺も頑張るよ。フェティシズム」
参謀 「……え?」
吉川 「え、じゃないよ! フェティシズムだよ」
参謀 「フェチが……なにか?」
吉川 「なにかじゃないよ! 今回はフェティシズム選挙だろ」
参謀 「マニフェストだ! 何で間違えるんだ。全然あってないじゃないか」
吉川 「あぁ、同じカタカナだから間違えた」
参謀 「カタカナってだけで間違うのか」
吉川 「正直カタカナとか覚えられないよ。アブフレックスだっけ?」
参謀 「腹筋鍛えるマシーンじゃん。マニフェスト」
吉川 「そうそう。でさ、結局マニフェストってなんなの?」
参謀 「え……」
吉川 「全然意味わかってないんだけど」
参謀 「マニフェストは……ほら、あれですよ」
吉川 「なに?」
参謀 「……映画。三部作の」
吉川 「あぁ! あれか!」
参謀 「サブスク動画サイトに入ったらしいよ」
吉川 「そうか。政治家として見なければな」
参謀 「そうですね」
吉川 「マトリックス」
参謀 「知ってるんじゃん!」
暗転
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