部屋

吉川 「しかし本当にカレーライスがでてくるとは」


藤村 「これで明らかになりましたね」


吉川 「そうだね。ところで何か飲み物とか飲みたくない?」


藤村 「あ、私もそう思ってたところです」


吉川 「いいねー」


藤村 「え~と、どうしましょうか?」


吉川 「ひょっとして、結構マニアック系?」


藤村 「あー! マニアック系ですね」


吉川 「カレーと言えばって感じ?」


藤村 「そうです。そうです」


吉川 「わかった。いってみよう」


二人 「せーのっ!」


吉川 「ラッシー!」


藤村 「チャイ!」


二人「あーっ!」


吉川 「そっちかぁ」


藤村 「そっちですか」


吉川 「やられたなぁ」


藤村 「残念でしたね」


吉川 「しかしなんなんだろうね。この部屋」


藤村 「本当に不思議ですよねぇ。え~と、いままで出てきたのは……」


吉川 「石とハサミとカレーライス」


藤村 「ジャンケンしててたまたまって感じでしたもんね」


吉川 「二人の息がぴったりと合えばモノがでてくるなんてなぁ」


藤村 「ごちそうさまでした」


吉川 「ごちそうさま。えっと、食後はどうしましょ?」


藤村 「私はやっぱりアレだと思うんですけどね。……見る感じの」


吉川 「見る感じのね! OK。わかったと思う」


藤村 「じゃ、いきますか」


二人 「せーのっ!」


藤村 「テレビ!」


吉川 「テレビ欄!」


藤村 「え……」


吉川 「あれ? 今あってなかった?」


藤村 「いや、私はテレビで……」


吉川 「あー! そっちか。俺テレビ欄」


藤村 「いやいや、テレビ欄ておかしくないですか?」


吉川 「なんで? 見るじゃん。食後に」


藤村 「でもほら、結果的にテレビじゃないですか? 欄だけ貰ってもしょうがないじゃないですか?」


吉川 「俺だいぶ見るぜ? 穴のあくほど」


藤村 「はぁ、そうですか」


吉川 「もったいなかったなぁ。今のは取れる勝負だったよ」


藤村 「……そうですね」


吉川 「ところでこれって、どこまで出てくるのかね?」


藤村 「どこまでといいますと?」


吉川 「だから、結構やばいモノもでてくるのかなぁ?」


藤村 「さぁ……。試してみます?」


吉川 「やってみたくね?」


藤村 「でも漠然とヤバイモノって言われても……」


吉川 「やばいっていうかさ、なんか不可能っぽいもの」


藤村 「でるはずのないような?」


吉川 「そうそう」


藤村 「なにがいいのかなぁ」


吉川 「だいたいわかるじゃん。ほら、俺たち男だしさ……」


藤村 「あ~。わかっちゃった」


吉川 「わかった? うっわぁ! まじで出たらどうしよう」


藤村 「フフフ……。なんか興奮しますね」


吉川 「するする」


藤村 「じゃ、いきますか?」


二人 「せーのっ!」


藤村 「女!」


吉川 「エロ本!」


藤村 「え……」


吉川 「えー?」


藤村 「いや、エロ本て……」


吉川 「女とか無理だよー。なに考えてるの?」


藤村 「だって、男だったらって……」


吉川 「男だったらエロ関係じゃん! 女なんて人権とか考えないとさー」


藤村 「だって無理そうなものって言ったから」


吉川 「わかった! じゃ、次から俺があわせるよ」


藤村 「はぁ……」


吉川 「じゃあねぇ、次のお題は……」


藤村 「お題ですか」


吉川 「無人島に一つだけ持っていけるなら!」


藤村 「難しいー!」


吉川 「大丈夫。あわせるから」


藤村 「合わせるっていったって……」


吉川 「それって、甘い系? それとも酸っぱい系?」


藤村 「なんで食べ物限定なんだ」


吉川 「食べもんじゃない。OK。大きい? 小さい?」


藤村 「比較的小さいなぁ」


吉川 「わかった」


藤村 「今のでわかっちゃったの!?」


吉川 「9割がたわかった」


藤村 「食べ物じゃない小さいものなんて沢山あるはずなのに」


吉川 「君の性格からしたら間違いない」


藤村 「本当かなぁ……。じゃ、いきますよ?」


二人 「せーのっ!」


藤村 「発煙筒!」


吉川 「夢! 花屋さんになる!」


藤村 「……」


吉川 「あー! そっちかぁ」


藤村 「なんですか、夢って。しかも花屋さん」


吉川 「小さいでしょ?」


藤村 「まぁこじんまりとしてるけども!」


吉川 「発煙筒かぁ……。そんなものいま手に入れてどうするの?」


藤村 「……そうですけど。あなたが無人島でとか言うから」


吉川 「でも、いま手に入れて役立つものじゃないと意味ないじゃん」


藤村 「花屋の夢を願う人に言われたくないなぁ」


吉川 「じゃ、次のお題。食後のデザート」


藤村 「あ、いいですね」


吉川 「でしょでしょ? えーとね。じゃあそれは……毒がある? ない?」


藤村 「ないですよ。何で毒入りのもの望まなきゃいけないんだ」


吉川 「なるほどね。フグは消えた。と」


藤村 「フグをデザートにしないでしょ! もっと普通のですよ」


吉川 「フルーツ系? フグ以外の」


藤村 「わざわざ言わなくてもフグはフルーツ系じゃないですよ。まぁ、フルーツ系で」


吉川 「南国系? モンゴリアン系?」


藤村 「いや、モンゴリアン系って系統をよく知らない。どんなフルーツがあるんですか」


吉川 「え、その……。モンゴリアン梨とか……」


藤村 「そんなものない!」


吉川 「ないね……」


藤村 「南国系で黄色」


吉川 「わかった! ちょっとエロ入ってる?」


藤村 「はいってる! はいってる!」


吉川 「わかりました! 完璧です」


藤村 「いま、私も手ごたえを感じてます」


吉川 「これはもらったね」


藤村 「もらいましたね。じゃ、いきますよ?」


二人 「せーのっ!」


藤村 「マンゴー」


吉川 「マンコ」


藤村 「……」


吉川 「そっちかぁ!」


藤村 「お前ふざけるなよ?」


吉川 「エロを意識しすぎちゃった」


藤村 「なんだよ! 食後のデザートにって! 下品すぎじゃないか」


吉川 「なに言ってんだよ。さっき自分だって女が欲しいって言ったくせに」


藤村 「あれは、そっちがほのめかしたから」


吉川 「自分の方がよっぽどエロいじゃないか」


藤村 「なんだとぉ!!」


二人 「お前とはもうやってられない!」



暗転



明転



小林 「あの~……なんですかね? この部屋」


本田 「いや、私も気がついたらここにいまして」


小林 「何にもない部屋ですねぇ……石とハサミと……」


本田 「カレー食べた後の皿以外……」



暗転




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