マタギ

マタギ 「人がクマを怖がるように、クマも人間が怖いんだ」


吉川  「なるほど。俺がカーラ・デルヴィーニュを好きなように、カーラ・デルヴィーニュも俺を好き。みたいなもんですね?」


マタギ 「全然違うね。それは妄想だもん」


吉川  「クマだって妄想みたいなもんじゃないですか」


マタギ 「一緒にしないでくれ!」


吉川  「だってアレでしょ? クマとかって想像上の生き物でしょ?」


マタギ 「違うよ! 実在するよ。これを見てもそんなこといえるか?」


吉川  「うっわっ……」


マタギ 「この傷は、この山に住む大熊と戦った時のものだ」


吉川  「意外と毛深いんですね」


マタギ 「毛かよ! 違うよ。傷を見てよ! 傷をフィーチャーしてよ!」


吉川  「熊もビックリの毛深さですよ」


マタギ 「そんなところで熊と比べないでよ! 傷を見てって!」


吉川  「あぁ、傷ですか」


マタギ 「全長四メートルを超す大熊だった」


吉川  「殺したんですか?」


マタギ 「バカッ! 山のおきてはキャッチ&リリースだ」


吉川  「ピンキー&キラーズですか」


マタギ 「全然違うよ。昭和じゃん!」


吉川  「安室奈美恵&スーパーモンキーズみたいなもんですか」


マタギ 「まだ古い。平成にはなったけど」


吉川  「山の生き物ですからね」


マタギ 「スーパーモンキーズは山に住んでない。MAXさんに謝れ!」


吉川  「村に下りてきて悪さをしたら撃ち殺しちゃってくださいよ」


マタギ 「だから無益な殺生はしないって言ってるじゃん」


吉川  「そのキャッチfeat.リリースってのは」


マタギ 「キャッチ&リリースだよ。豪華コラボみたいに言うなよ」


吉川  「リリースがラップで合いの手を入れるんじゃないんですか?」


マタギ 「キャッチしたらリリースするってことだよ」


吉川  「なるほど。ダッチ&ワイフですね」


マタギ 「何を聞いてた? まだコラボってた時のほうが近かったぞ」


吉川  「でもやっぱり熊は怖い」


マタギ 「なに、そん時は俺がなんとかするさ」


吉川  「やっぱり服装はシャツ&ブリーフで?」


マタギ 「えらい軽装だな! 山をなめるな」


吉川  「でもそんなに長居するわけじゃないですし。すぐ帰るから平気っすよ」


マタギ 「そんなに簡単に来られないぞ。山道は厳しいんだから」


吉川  「大丈夫です。タッチ&ゴーで」



暗転

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