ウシヲ 「オタマさん! 何故です?」


オタマ 「わかってください。ウシヲさん」


ウシヲ 「オタマさん! 何故です?」


オタマ 「わかってください。ウシヲさん」


ウシヲ 「私はあなたを愛しているのですよ」


オタマ 「ごめんなさい。でも、私……」


ウシヲ 「まだあいつのことを言ってるんですか!」


オタマ 「そんなわけでは……」


ウシヲ 「ガマ太郎は死んだんですよ! 車に轢かれてペチャンコになって!」


オタマ 「言わないでっ!」


ウシヲ 「やっぱり……あいつなんですね」


オタマ 「……ごめんなさい」


ウシヲ 「どうして、あいつなんだ! そりゃ、あいつは金持ちでしたよ。油で儲けた莫大な資産を口に隠してましたからね」


オタマ 「そんなことじゃないの」


ウシヲ 「私は努力をした! そりゃ、食用ですが、食用なりに努力をした!」


オタマ 「それはわかってます」


ウシヲ 「ならばなぜ! 何がダメなんですか? イボですか?」


オタマ 「別に、イボはかまいません……食用なのも、ルックスが醜悪なのもかまいません」


ウシヲ 「ちょ、ちょっと醜悪はさすがに言いすぎじゃ。 じゃ、何故ですか?」


オタマ 「どうしても、忘れられないの」


ウシヲ 「クッ。かといって、一生ガマ太郎の影に寄り添っている気ですか?」


オタマ 「……」


ウシヲ 「あなたも、そろそろ年頃だ。手足も生えれば、尻尾も消える」


オタマ 「わかってます」


ウシヲ 「一生独身を貫くつもりですか?」


オタマ 「はい、私は、今後誰にも嫁ぎません」


ウシヲ 「まさかっ!?」


オタマ 「アマになります」


ウシヲ 「ゲロゲロー!」



暗転

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