二次元

藤村 「……で、何で死なないの?」


吉川 「うわぁ、そういう言い方傷つくなー」


藤村 「いや、そうじゃなくてさ」


吉川 「なに? 俺なんか死んだ方がマシってこと?」


藤村 「そうじゃなくて。普通死ぬでしょ? 30mの高さから落ちたら」


吉川 「まぁ、打ち所が悪いとね」


藤村 「いや、ポイントの問題じゃなくて、どこ打っても普通死ぬと思う」


吉川 「きっとあれだよ。ど根性のおかげ」


藤村 「そんな精神論で何とかなる問題じゃないだろ」


吉川 「でもほら、こんなんなっちゃったし」


藤村 「あぁ、はじめて見たよ。ペラペラになった人間」


吉川 「これって戻らないのかなぁ?」


藤村 「俺に聞かれてもなぁ」


吉川 「当分戻らない方がいいね。楽しいし」


藤村 「ポジティブだなぁ」


吉川 「だってほら、ペラペラだからさ、キセルしても自動改札とか挟まらないよ」


藤村 「ちっちゃいなぁ、使い道が」


吉川 「あと自動販売機の下の100円とかスムーズに拾える」


藤村 「能力をまるで活かしきれてない」


吉川 「じゃ、あれだ。政界に打って出よう」


藤村 「極端にでかくなったな」


吉川 「史上初のペラペラ大統領」


藤村 「ペラペラの時点で何をやっても史上初だと思う」


吉川 「で、TIME紙の表紙になるの。カラーコピーで簡単だぜ」


藤村 「別に簡単だから表紙になれるわけじゃない」


吉川 「TIMEの表紙になったら鼻高々だな」


藤村 「ペラペラじゃないか」


吉川 「そうだった。鼻ペラペラ」


藤村 「新しい慣用句を作りやがった。しかも自分しか適用できないようなやつ」


吉川 「俺、絶対ビッグになるから、お前ついて来いよ」


藤村 「そんなペラペラの人に言われてもなぁ」


吉川 「こう見えても懐は深いぜ」


藤村 「無茶苦茶薄っぺらいじゃないか」


吉川 「口先ばっかりの薄っぺらいやつらに一泡吹かせてやろうぜ」


藤村 「よくその言葉をその身で言えるな」



暗転



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