近未来人

近未来人「というわけでね、タイムトリップしてきたわけ」


吉川  「へぇ」


近未来人「へぇって! もっとなんかあるじゃん! リアクションサービスしてよ!」


吉川  「なんでそんなサービスしなきゃいけないんだ」


近未来人「もしかして、信じてない?」


吉川  「まぁ、いきなりタイムトラベラーとか言われてもなぁ」


近未来人「だよね。その気持ちもわからないでもない」


吉川  「いや、信じてないわけじゃないけど」


近未来人「けど、なんだよ。信じてないけど、愛してる?」


吉川  「や、愛してないですよ! なんで愛さないといけないの?」


近未来人「そんなのこっちが聞きたいよ。俺のどこがいいわけ?」


吉川  「いいなんていった覚えない。なんて自分勝手な愛情なんだ」


近未来人「愛はいつだって自分勝手なものさ」


吉川  「いいこと言ってるのかどうかよくわからない」


近未来人「あ、そういえば時計があった」


吉川  「へー。未来の時計?」


近未来人「C-SHOCKなんだけど」


吉川  「なんだそれ、パチモンじゃん」


近未来人「違うよ! G-SHOCKの限定モデルだよ!」


吉川  「騙されてるよそれ! 限定だからってCにはならない」


近未来人「まじで!? 友達に自慢しちゃったよ。はずかしー」


吉川  「はずかしいですね」


近未来人「はずかC-SHOCK!」


吉川  「えー。それはどうだろう?」


近未来人「いやいや、未来で流行ってるんだよ。このギャグ」


吉川  「へー」


近未来人「ゴメン。嘘。嘘ぶっこきました。反省してます」


吉川  「いや、別にいいですけどね。信じてないし」


近未来人「それよりも、ほら、微妙に時間ずれてるでしょ?」


吉川  「ずれてますね」


近未来人「ダメ?」


吉川  「なにがです?」


近未来人「俺が、この時代の人間じゃないっていう証拠」


吉川  「いやいや、そんなのいくらでもずらせるじゃないですか」


近未来人「えー! 絶対ずらしてないよー。ユリゲラー以外そんなこと無理だよぉ」


吉川  「じゃ、勝手にずれたんじゃないですか? C-SHOCKだし」


近未来人「まぁ、その線は否定できないけど。はずかC-SHOCK」


吉川  「何気にそれ気に入っちゃったんですか?」


近未来人「ううん。流行らせようぜ?」


吉川  「遠慮しときます」


近未来人「あ、そうだ。あったよ! 証拠!」


吉川  「なんですか?」


近未来人「ほら、来週のジャンプ。またハンターハンター載ってないぜ!」


吉川  「それはあんまり証拠能力がない証言だな」


近未来人「あ、大物俳優登場!」


吉川  「なにそれ?」


近未来人「今日のテレビ特番! ほら、生放送なのに内容知ってるの証拠じゃない?」


吉川  「それTV欄に書いてありましたよ?」


近未来人「あ、そうだった。俺もさっきそれ見たんだ」


吉川  「適当だなぁ」


近未来人「まったく、おはずかC-SHOCK」


吉川  「だいぶお気に入りだなぁ」


近未来人「これ、未来の世界に帰ったら絶対流行らすよ!」


吉川  「そもそも、未来っていつの時代からきたんですか?」


近未来人「近未来だけど?」


吉川  「具体的に、西暦とか時間とかわからないんですか?」


近未来人「わかるよ」


吉川  「いったいどのくらい未来なんですか?」


近未来人「二日後」


吉川  「近!」



暗転



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