風邪

吉川  「助けてー!」


風邪マン「とうっ! 風邪マン参上! ゴホッゴホ」


吉川  「うわぁ、登場そうそう劣勢だ」


怪人  「フハハハ、お前のような病人は家で寝ていろ!」


風邪マン「あ、そう? いいんならそうされてもらうけど」


吉川  「ちょっと待ってよ! せっかく来たんだから救ってよ!」


風邪マン「いや、なんかどっちかというと俺のほうがピンチなんだよね。実際問題」


吉川  「た、頼りねぇ」


風邪マン「ま、いいや。いくぞ怪人! 風邪マンファイアーアタック!」


怪人  「うわぁ! 熱い熱い! 微妙に熱い!」


風邪マン「ハハハ! 37.5度だ!」


怪人  「よくよく考えたらそれほど熱くもなかった」


風邪マン「ぐわぁ!」


吉川  「技使った方がダメージ受けちゃってる」


風邪マン「37度とか頭ボーっとしちゃって」


怪人  「風邪マン! 今日がお前の命日だ」


風邪マン「その通りだ!」


吉川  「肯定しちゃダメだよ! 死なないでよ」


風邪マン「いくぞ! 風邪マーン鼻ネバー!」


怪人  「ぐわぁ! ゲル状の何かが! 俺の身体を拘束する!」


吉川  「ヒーローにあるまじき技だ」


風邪マン「風邪マーンハリケーン! イックショッ! イックショッ!」


怪人  「ぐむむ。ものすごい風と、あと、なんか飛沫が! ツバっぽい飛沫が! このご時世に批判されるやつが!」


風邪マン「とどめに、風邪マーン関節痛!」


吉川  「それは技じゃない! 弱点だ!」


風邪マン「そうだった。関節痛い!」


怪人  「ムハハハハ、形勢逆転だな! さらばだ風邪マン!」


風邪マン「果たしてそれはどうかな?」


怪人  「なにぃ!?」


風邪マン「今のさまざまな技で、お前はウィルスまみれだ! 早く家に帰って薬とか飲んで安静にしないと、2週間くらいしたら風邪ひくぞ!」


怪人  「2週間くらいかかるの? なんか呪いみたいな技だなぁ」


風邪マン「風邪は初期のケアが大事なのさ!」


怪人  「くそぉ! 覚えてやがれ!」


風邪マン「あいにくだが、風邪で頭がボーっとしてるために覚えてない!」


怪人  「なんてやつだ! ちくしょう! さらばだっ!」


吉川  「風邪マン! ありがとう」


風邪マン「なんのなんの。ほんの風前の灯よ!」


吉川  「使い方があってるのか、イマイチわからないけどありがとう」


風邪マン「あぁ、そろそろ変身がとける時間だ」


吉川  「変身だったんだ」


健康マン「あぁ、戻ってしまった! 健康体に」


吉川  「はじめから、そっちで来いよ」



暗転



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